ANNの世論調査でついに内閣支持率が29.2%という「危険水域」の20%台にまで落ち込んだ安倍政権。そんななか、ネット上で急速に拡散されているデマがある。
「日テレ・フジ・テレ朝の16番組以上を1つの制作会社が担当して偏向報道やりたい放題。日本は乗っ取られた」
「偏向報道は、泉放送制作=在日企業が元凶」
「【反日番組】泉放送制作 金富隆 全て1社が制作」
「金富隆は在日朝鮮人 金富隆の会社は泉放送制作」
「反日番組は『泉放送制作』プロデューサーは金富隆(在日極左)」
「泉放送制作に反日番組を作らせてる民放テレビ局の放送免許を停止すべき」
「安倍政権の支持率が下がっているのは泉放送制作が民放で反日工作しているから」
「泉放送制作の反日プロデューサーが仕切っている怖さ!金富隆を排除しない限り偏向報道や災害被害者に鬼畜な取材をする姿勢は無くなりません」
つまり、民放5局のあらゆる報道・情報番組を制作しているのは「泉放送制作」という会社で、この会社の主導によって加計学園問題などで安倍政権を貶
める偏向報道が行われている。さらに、泉放送制作は金富隆という在日プロデューサーが仕切っており反日工作として仕掛けている、というのだ。
このなかで泉放送制作が牛耳っている番組として挙げられているのは、TBS『あさチャン』『ビビット』『Nスタ』『ひるおび!』『サンデーモーニング』『報道特集』、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』『スーパーJチャンネル』、フジテレビ『直撃LIVEグッディ!』『ノンストップ!』『めざましテレビ』『とくダネ!』、日本テレビ『Oha!4』『ZIP!』、テレビ東京『ゆうがたサテライト』『ワールドビジネスサテライト』といったものだ。
そもそも、たった1社の番組制作会社がこれだけの数の番組を「牛耳る」、つまり企画や内容を決定する主導権を握るなどということは、物理的に不可能だ。しかも、ネトウヨたちが泉放送制作が制作して偏向報道を仕掛けていると挙げている番組のなかには、安倍応援団の田崎史郎・時事通信社特別解説委員を贔屓にする『ひるおび!』や、安倍政権の御用メディアであるフジテレビや日本テレビの番組も並んでいる。フジの『ノンストップ!』は政治ネタすら扱っていない。なのに、何を「偏向している」と言うのか……噴飯モノの矛盾だ。