麻生太郎オフィシャルサイトより
またも、あの男が暴言を吐いた。昨日、麻生太郎副総理兼財務相が、麻生派の研修会でこう述べたというのだ。
「(政治家は)結果が大事なんですよ。いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよ、それじゃあ」
ヒトラーの動機は正しかった──。何の弁解の余地もない、ヒトラーを肯定する大問題発言だ。現在はちょうど高須クリニックの高須克弥院長によるナチス礼賛ツイートが問題となっているが、今回はよりにもよって副総理の発言。国際的な非難を浴びるのは必至だ。
そもそも麻生副総理といえば、2013年にも「憲法はある日気づいたらワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」と発言し、大問題に発展。ユダヤ人権団体のサイモン・ウィーゼンタール・センターが抗議声明を発表したほか、ドイツの有力紙・ヴェルトも「日本の副首相、ナチスの戦術を称賛」という見出しで報じるなど海外にも波紋が広がった。
このとき麻生副総理は「悪しき例としてあげた」と釈明したが、今回も「悪しき政治家の例としてヒトラーをあげた」と言い訳している。しかし、同じ言い訳が2度も通用するはずがない。しかも、今回は前回の反省もなく、“ヒトラーの動機は正しかった”とはっきり肯定している。何度も言うが、戦前のナチスを肯定するなど国際社会においてはけっして許されない。大臣は即辞任、いや、政治家を辞するべき発言だ。
いや、だいたいこの“暴言男”が、いまなお副大臣という座にいること自体がどうかしているとしか思えない。1983年には「女性に参政権を与えたのは失敗だった」と言い放ち、2007年には国内外の米価を比較して「アルツハイマーの人でもわかる」と述べ、2009年には学生から“若者には結婚するお金がないから結婚が進まず少子化になっているのでは?”と問われ、「金がねえなら、結婚しないほうがいい」「稼ぎが全然なくて尊敬の対象になるかというと、よほどのなんか相手でないとなかなか難しいんじゃないか」と返答。2014年には、社会保障費の増加について「子どもを産まないのが問題だ」とも語っている。