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横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」20

保守分裂の茨城県知事選で自民が背水の陣 原発再稼働反対の現職知事がアベ官邸のやり口や口利きを告発する異例の展開に

「茨城県では日本で一番古い原発、東海第二原発が再稼働されようとしています。橋本知事は『再稼働はしない』と最近になってやっと発言を始めましたが、それは信用できません。これまでの6年間、3.11以降、橋本県政は再稼働前提の言動を繰り返されていました。『原発は止めて』という33万の署名を橋本知事に提出したのに、しっかりと受け止めることなく、再稼働前提でこれまで発言をされています。この選挙に当選するために『再稼働はしません』という言動がありますが、これは信用できません」

「選挙対策上の発言」との指摘を橋本氏にぶつけてみると、次のように答えた。

──「県知事選が近づいたから再稼働反対と言い始めた」と相手候補は言っています。

橋本氏 それはいろいろ言うかも知れないけれども、(県南部の)常総に行っても子供を抱えたお母さんが「何とか原発再稼働を止められませんか」と言った。東海村に行っても三人ほど女性が集まって「何とか『再稼働を止める』と言ってももらえませんか」と言われました。そういう住民の声を聞いて、再稼働反対を言うようにしました。

──大井川候補は「県民の声を聞く」と言っていますが。

橋本氏 本人は住民投票をやりたいみたいだけれども、自民党が許さないでしょう。

「橋本氏の再稼動反対発言をどう県民が受け止めるのか」「大井川氏が“原発推進のアベ自民党の傀儡候補”と見なされるのか否か」が茨城県知事選を左右するポイントになりそうだが、安倍政権に衝撃を与えた滋賀県知事選(2014年7月13日投開票)では、“隠れ原発推進派”と疑われた元経産官僚の自公推薦候補が、卒原発で有名な嘉田由紀子・前知事が後継指名をした三日月大造・現知事に敗れた。自民党の大物国家議員が続々と現地入りしたことに対して、「中央対地方」「原発再稼動イエスかノーか」の構図に持ち込んだ三日月陣営が勝利を収めたのだ。茨城県知事選が、いくつもの共通点がある滋賀県知事選の再来となるのか否かが注目される。

最終更新:2017.12.07 04:59

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