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加計問題で“その場しのぎ”発言連発、山本幸三地方創生相がゴマカシ強弁するあまり逆に「加計ありき」ポロリ

 さらに、山本地方創生相がとち狂っているとしか思えなかったのが、7月4日の記者会見で「公務員獣医師が不足しているのは小動物獣医が儲かるからだ」と言い出し、“獣医学部をつくって獣医師を増やせばペット獣医も増え、診療の価格破壊によって給与も下がる。そうすれば公務員獣医師の不足も減る”と持論を展開したことだろう。

 唖然とするような滅茶苦茶な話だ。獣医師の平均年収は568.6万円(2016年・賃金構造基本統計調査)であり、1200万円を超える医師の半分以下。その上、ペット飼育頭数も猫は横這いだが犬は減少傾向にあるのが現実だ。そもそも、公務員獣医師の不足を解消するためにはまずは待遇改善を行うべきで、獣医学部をつくったところで根本的解決にはならない。なのに、“ペット獣医の給与水準を下げれば給与が低い公務員獣医にも流れる”などとするのは暴論であり、獣医師を侮辱するものだ。

 このほかにも、山本地方創生相は、前述した萩生田官房副長官の関与を示すメールの送信者の内閣府の職員を、「文部科学省からの出向者で、陰で隠れて本省にご注進した」と自分の部下をスパイ扱いしたかと思えば、先日の閉会中審査では「今治市の提案は4条件を満たしているか」と問われ、資料をただ早口で読み上げ、野党議員から抗議の声があがっても「4条件を聞いてるんでしょ?」などとキレながら“朗読”を約5分間もつづけるなど、大臣の資質が疑われる態度を平気でとってきた。

 そして、追及を受けると「記録はない」「記憶にない」「官邸は関係ない」の“ないないづくし”で通し、具体的に必要な獣医師数を問われると、「私の理解では神の見えざる手である市場メカニズムによってしか決まらないもの」と言い、「なぜ獣医学部の需給が明らかではないのに押し切ったのか」と問われれば、「需給の数とか量をはっきり示すのは無理」と開き直る。さらに、何かと言うと高橋洋一氏をはじめとした安倍応援団の評論家たちが無根拠に振りかざしている「挙証責任論」をもち出し、「挙証責任というのは規制監督省庁にある」「文科省が挙証責任を果たせなかったので勝負はそこで終わっている」などと文科省に責任転嫁するのだ。

 この挙証責任論に対し、前回の閉会中審査で前川喜平・前文部科学事務次官は、「内閣府が勝った、文科省が負けた、だから国民に対してこれをやるんだと説明する。これでは国民に対する説明にはならない。説明責任は政府一体として負わなければならない」と語ったが、まさにその通りだろう。

 あからさまな嘘、一貫性のない非論理的な主張、他者への罪のなすりつけ──。来週の閉会中審査では、こうした山本地方創生相の無責任かつ一切の説明を拒む姿勢に対し、徹底した追及が行われることを望みたい。

最終更新:2017.07.22 12:38

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