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室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第6回ゲスト 小林節(後編)

小林節が「安倍政権を倒すためには、まず民進党を潰さないと!」と衝撃発言! はたして室井佑月の反応は…

室井 そう考えても今のこのふわふわ浮ついた感じで、そのときだけ風の流れで、「この政策は反対にしてみよう」「こういうふうに動いてみよう」という民進党をバラけさせる必要がありますね。この連載でも何度か言ってるんですが、都知事選のときの小池百合子のように、民進党の中で市民に寄り添う派とそうでない派に別れ、大げんかする演出をしろと。そのほうが、テレビで扱ってもらえるじゃないですか。

小林 それ、いいと思います。

室井 本当ですか! 最初は内輪の揉め事でも、テレビの人って民進党にあたりがキツイから、揉めてるとなると絶対に撮りにくるはずなんですよ。

小林 民進党はまとまるフリをするからね。自民党系の民進党Aと、社会党系の民進党Bにとっとと分かれるべきです。自民党系さえでていけば、反安倍軍国主義政権という点では一致できる。

室井 でも、早く別れてくれないと、来年いざ選挙の時期になったら、また前回の都知事選のようにグダグダになる。だからどんどん批判して追い詰めましょう(笑)。

小林 室井さん、話をしていてすごいなと思う。使っている言葉も間違っていないし。室井さんと話して、「もっと教養があればいいのに」なんて一度も感じなかったですよ。ちゃんと勉強してる。勉強した人間とそうでない人の差は、安倍さんなんか見ているとよくわかるんです。

室井 ありがとうございます! そんなこと初めて言われました。わたし高卒だけど、でも大人になってから勉強するのは好きになって。じゃあ、褒められたついでに、ひとつお願いしていいですか? 先生の教え子や、お弟子さんとかって、英語が出来る人が多いでしょ? そういう人を紹介してくれませんか。というのも、最近、国内で声を上げても無理じゃないかと思い始めて。それを報道する人もいないですし。この前、日本の共謀罪に対して国連の特別報告者が懸念を示したじゃないですか。だから、国連や、海外メディアに「日本はこんなひどい状態だ」ってことを、ガンガン英語にして手紙を書いて送る。それって、ひとつの手だと思うんです。しかも、先生のような著名人や高名な学者が代表で送る。それを海外メディアから逆輸入して、指摘、報道してもらう。そうなれば日本のマスコミは無視できない気がします。

小林 外国に発信するのは、ひとつの方法としてありだと思います。なぜかというと、日本の権力側も非権力側も、外圧に弱い。たとえば「ジャパン・ハンドラーズ」という日本を食い物にしているアメリカ人に、与党も野党もさからえない。その点、私はアメリカで仕事をしてきたから、「それは間違っている」と、別のチャンネルでアプローチできる。

室井 今、国連は影響力が低下したなんて言われていますが、報道の自由に関して国連報告者のデービッド・ケイさんが調査するため来日した際、政府の妨害にもかかわらずフリーのジャーナリストなど言論の関係者が協力しました。それで古賀茂明さんへの圧力や、高市早苗総務相の「電波を止める」発言が海外でもクローズアップされて。海外から日本のメディアにプレッシャーがかった。そういうことをどんどん増やしていく、もうそれしか方法はないんじゃないかと思っているんです。でも、あたし、英語がまったくできないから。グーグル翻訳ソフトで日本語から英語に翻訳しても意味不明だろうし(笑)。そういう活動をしてくれそうなお弟子さん、いないですか? 暇こいてて、それでいて英語ベラベラみたいな。

小林 確かに私の教え子は、企業、政界、官界、メディアにも沢山います。でも私が政治批判をしたり、日米問題や沖縄問題をメディアで発言すると、「こういうこと言わないでくださいよ」と電話で苦言を呈してくる官僚もいる。悪魔の手先のようなやつもいっぱいいるんです。あっ、でも、いるいる! 誤解されて会社辞めて暇こいている元教え子。英語の達人ですよ。今度ぜひ紹介しましょう。

室井 やった、英語の達人! この作戦でいっしょに安倍王政を倒しましょう!
(了)


小林 節 憲法学者、慶應義塾大学名誉教授、弁護士、1949年生まれ。元ハーバード大学研究員、元北京大学招聘教授であり、テレビ論客としても知られる。2016年には安倍政権の安全保障関連法廃止や言論の自由確保、憲法改正阻止などを掲げ「国民怒りの声」から出馬するも落選。その後も「小林節が斬る!」(日刊ゲンダイ)連載などで安倍首相を批判し続ける。『小林節の憲法改正試案』(宝島新書)、『白熱講義! 集団的自衛権』(ベスト新書)、『憲法改正の覚悟はあるか――主権者のための「日本国憲法」改正特別講座』(ベストセラーズ)など著書多数。

室井佑月 作家、1970年生まれ。レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビューし、その後テレビコメンテーターとしても活躍。現在『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『あさイチ』(NHK)などに出演中。

最終更新:2017.12.05 07:59

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