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百田尚樹が外国特派員協会で会見、「ヘイトスピーチや差別扇動は一度もしたことがない」と大嘘!

 これでよくもまあ、“言論の自由を奪われた”的なことを言えたものではないか。

 ちなみに、百田センセイは会見の前半で、「有名なヴォルテールの言葉があります。私は君の意見には反対だが君が意見をすることには命を懸けて守ると。これがなくなれば言論の自由は滅びると思います」とドヤ顔で言っていたのだが、こんな御仁が「言論の自由」を語るなど、もはや何かのギャグとしか思えない。

 改めて言っておくが、一橋大学学園際での講演中止は、言論の自由の侵害などではない。言論の自由、あるいは表現の自由は民主主義の根幹をなすものであり、権力や暴力によって抑圧・制限されることは絶対にあってはならない。ただし、それは差別や殺人の扇動垂れ流しを放置することではないし、ましてや、表現の自由は万人に保障されており、ある人の言論が、ある人の対抗言論によって否定や拒否されることは、言論という行為における当然の相互作用として認められなければならない。

 そういう意味では、ヘイトスピーチや差別扇動を繰り返してきた百田が大学で講演することに対して、人々が抗議の声をあげたり、反対運動を起したりすることは、当然の権利なのだ。

 言い換えれば、百田は自分以外の表現の自由に倫理的に負けただけであり、これを「言論弾圧」などと呼ぶのは屁理屈に過ぎない。

 むしろ、言論の自由を侵害しているのは、政権与党の勉強会で米軍基地問題を批判したメディアに対して「沖縄の2紙は潰さなあかん」と言い放ち、朝日新聞を「半殺しにする」と、権力や暴力よって、報道弾圧することを扇動した自分のほうだろう。

 とまあ、何から何まで、嘘と矛盾とデタラメに満ちた百田センセイの外国特派員協会での会見。日本の恥が世界中に発信されたと怒る方もいるかもしれないが、一方で、意味があったともいえる。この国の言論状況がいかにとんでもないことになっているかを、海外のメディアにより理解を深めてもらえたはずだからだ。

 百田センセイと発想がそっくりの安倍首相は、自民党が政権与党に返り咲いて以降、外国特派員協会からの会見要請を断り続け、一度たりとも外国特派員協会での記者会見は実現していないらしいが、是非とも、次は安倍首相に登場してほしいものだ。

最終更新:2017.12.05 02:05

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