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都議選報道でテレビ朝日が「自民と都民ファは同等に、他は半分で」とメール通達! 背後に安倍政権への忖度

 今回のメールを送信したのは、同局で報道番組・情報番組を統括する宮川晶報道局次長兼報道センター長だったというが、この宮川氏は篠塚浩取締役報道局長の腹心として知られている人物だ。そして、篠塚報道局長といえば、本サイトでも昨日お伝えしたように、先月24日、共謀罪が衆院本会議で強行採決された翌日に早河洋会長とともに、安倍首相と仲良く会食をしていたテレ朝幹部。典型的な政権忖度体質の人物で、共謀罪報道の際にも現場に「政府の言い分も報道しろ」と圧力をかけまくっていたと言われる。

 そのラインから伝令が出たとなれば、たしかに政権による圧力、忖度の臭いがプンプンしてくる。

「安倍首相と局幹部の会食では、加計学園問題や共謀罪をめぐる報道へのけん制があったと言われていますが、都議選についても圧力がかかっていた可能性があります。安倍首相から『都議選は公平にお願いしますよ』と言われ、篠塚報道局長が震え上がり、報道センター長に命じてメールをさせた、おそらくそんなところじゃないでしょうか」(テレビ朝日報道番組関係者)

 テレビ朝日では、『報道ステーション』や『羽鳥慎一モーニングショー』など、現場はきちんと政権批判をやろうという姿勢がある一方で、局の上層部や政治部があいかわらず安倍政権のほうばかりを向いた動きをしていることは、先日の記事でも指摘したが、その上層部の権力癒着体質、忖度体質がモロに出たということだろう。

 だが、こうした都議選報道の“配分”をめぐるテレビ局の動向は、何もテレ朝だけではないらしい。別の在京キー局ニュース番組関係者は「うちでも自民、都民ファ、その他全部で2:2:1ぐらいの比率になっていますね」と打ち明けるし、実際にテレビをつければどの局でも“自民vs都民ファの全面対決”の報道一色。完全に、自民党と都民ファ偏重報道を展開しているのだ。

 もちろん、公正な報道とは、時間配分をすべての政党で公平にしなければならないということではない。たとえば、昨年の都知事選での報道が不公平すぎるという告発を受けて、BPOは今年2月、「2016年の選挙をめぐるテレビ放送についての意見」という委員会決定を出したが、そこでは、放送法の定める政治的公平性はあくまで「倫理規範」だと確認したうえで、報道と編集の自由と国民の知る権利の観点から「量的公平性」を否定している。

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