しかも、今治市が国家戦略特区に指定される約9カ月前の2015年4月2日、今治市職員が首相官邸を訪問していたことが発覚すると、「官邸訪問の書類は破棄された」「訪問先を確認することは困難」の一辺倒。文科省の再調査が決まったときも「実在したとしても、その紙自体が正しいかどうかは次の話だ」と述べるなど、一貫して無責任かつ強硬な態度をとり続けてきた。
しかし、このメールと添付PDFの存在によって、国家戦略特区による獣医学部新設で、加計学園に決定打の指示を出したのが、ほかならぬ萩生田官房副長官だと判明したのだ。
もちろん、名誉客員教授として萩生田官房副長官が単独で便宜を図ったということではない。前川氏は木曽氏のみならず、和泉洋人首相補佐官から直接、「総理は自分の口から言えないから私が代わって言う」と言われたことを証言しているし、今治市が開示した資料でも国家戦略特区による獣医学部新設が加計学園ありきで進んでいたことははっきりと示されている。内閣府がひれ伏し、官邸が総動員する人物──安倍首相の「ご意向」あってのものであることはあきらかだ。
明日、参院予算委員会で集中審議が行われるが、たった1日で幕引きできるような問題ではない。萩生田官房副長官の関与が証拠として出てきたいま、国会が閉会しても、徹底追及を継続させなければならない。
(編集部)
最終更新:2017.12.05 01:23