「守秘義務違反だ」と振りかざすことは言論統制であり言論弾圧だ。そうして不都合な事実は隠蔽され、政権にとって都合の良い情報だけが流布される。これほど不健全な国家の姿はないだろう。だからこそ、今回、前川氏は自分には不利益しかないにもかかわらず、告発を行ったのだ。
「守秘義務違反だと言われる危険性はあるんです。しかし、守秘義務違反というのは、本当に秘密であるものをオープンにするから守秘義務違反なので、『秘』でないもの、むしろ『秘』にしてはいけないものを国民に知らせるというのは、むしろ積極的にやるべきことであると思いますし、それがなかったら、本当に民主主義は成り立たないと思いますからね」(テレビ朝日『報道ステーション』インタビューでの発言)
民主主義という基本に立って国民の知る権利に応える。こうした前川氏の態度に共感し、いま、現役職員からも証言が出てくるようになった。これこそが国民の奉仕者たる公務員の正しい姿であり、粛清をちらつかせる義家副大臣のゲスさが際立つというものだが、今回、義家副大臣が報復宣言を行った背景には「官邸の相当な焦り」があるらしい。
「じつは、文科省の現役官僚が実名・顔出しで証言を行うという動きがあるんです。ある民放はすでにその官僚と接触し、インタビューも撮り終えているという話も出ている。この動きを官邸もキャッチしていて、どうにか黙らせられないかと画策しているようです」(大手紙政治部記者)
前川氏に対して行ったように、いやそれ以上の、どんな報復を官邸は仕掛けるのか。ともかく、安倍政権のなりふり構わない卑劣な隠蔽を国民は断固として許さない空気をつくり、勇気ある正義の告発者を守る必要がある。絶対に、告発を潰させてはいけない。
(編集部)
最終更新:2017.06.13 09:10