とにかく万事この調子で、傍目から見てどんなムチャクチャに見えても、とみかく田崎は徹底的に「文書に信憑性はない」「前川はおかしい」と言い張り続けたのだった。
きわめつきは、今後の展開についての解説だった。田崎に負けず劣らずの安倍応援団である八代英輝弁護士ですら「少なくとも証人喚問をしたほうが国民としては(いい)。これに政権側が抵抗を示すのが、余計変に見える」「やはり前川さんを証人喚問していただいて、実態というのを知りたい」とコメントしていた。
ところが、田崎は「(そういう流れには)ならないでしょ。政権側の考え方は黙殺」と、言い切ったのだった。ここまでくると、安倍応援団どころか、菅官房長官の生霊でも乗り移ったんじゃないかと思えてくるが、しかし、これは田崎一人の問題ではない。
26日の『とくダネ』では、「文書に信憑性はない」と強弁する田崎の言葉に、小倉はこう漏らしていた。
「これどちらの言い分が正しいのかっていうのは、私たちには100%はわからない。想像の世界なんですね。そうすると、安倍政権を支持するか支持しないかによって受け止め方って変わりますよ」
たしかに、当時の事務次官の実名証言という超ド級の証拠を前に、「文書はない」と言える根拠など「だって安倍政権がすべて正しいから」以外何もない。しかし、そのムチャクチャが通用する国になりはてているのだ。安倍政権の言うことはすべて正しい。たてつく者は報復されて当然————。
前川氏は「赤信号を青と言えと迫られた。「これは赤です、青ではありません」と言い続けるべきだった」と語ったが、これは官僚だけの話じゃない。安倍政権に屈して青だと言ってしまうのか、これは赤だと戦うのか、メディアの姿勢もいま、問われている。
(編集部)
最終更新:2017.12.04 03:26