柳澤は、こうした「本土」の傲慢をこのように指摘する。
「僕自身も正直、こうやって沖縄の基地のことを取り上げるときに、原稿上は『沖縄の基地問題』って書くじゃない。これにものすごく違和感を感じているんですよ、最近。『沖縄の問題』『沖縄の基地問題』、これ違うんじゃないかと。『日本の問題じゃないか』って。沖縄と本土というよりも日本全体の問題だってことを意識しないと、これは現実をきっちり捉えることできないんじゃないかって、つくづく思う」
そして、司会の井ノ原快彦は、「沖縄の生活が脅かされた現実を想像すること」を視聴者に投げかけた。
「(本土から切り離されていた過去は)全部それって、しょうがないことじゃなくて、いろいろ軍のことだったりとかいろんなことが関わっているわけだから、それをずっとひきずりながらいまも暮らしていて、いまも生活を脅かされているというところで想像していかないと」
また、番組ゲストだった俳優の内藤剛志は、「沖縄の新聞っていまだに戦争のことを毎日のように取材している」ことを“評価”した上で、こうした知る機会が「本土にはない」からこそ、「知るところからはじめよう」「行ってみることも大事」と訴えた。
このように、今回の『あさイチ』の特集は、「基地問題は沖縄じゃなく日本の問題」とした点でも、重要な問題提起を行う意味のある企画だったと言えるだろう。惜しむらくは、基地に反対する人びとに安倍政権がいかに牙を剥き出しにしているかという現実が伝えられなかったことだが、同番組では高江のある北部への取材もすでに行っており、「近日放送する」とのことなので、それに期待したいと思う。
(編集部)
最終更新:2017.12.01 07:19