●スキーイベント、田植え、私塾の事務局にも動員
土生栄二内閣審議官の答弁によれば、「外交にかんするものが8件20日、外交にかんするもの以外が2件2日」というものだった。この「外交以外の2件」というのも、外交同様、昭恵夫人が安倍首相に同行したものに過ぎず、昭恵夫人単独としての「公務」はゼロだったのだ。
約3カ月のあいだだけをとっても公務はゼロなのに、「連絡調整」という名のもとに専属スタッフを2名も常駐させていた。しかも、この間、夫人付の政府職員は、昭恵夫人の講演会随行や籠池理事長とのやりとりなどを行っていたのだ。
既報の通り、この期間外でも昭恵夫人は自民党の選挙応援に夫人付スタッフを引き連れていたことが判明。これは国家公務員法違反にあたるが、昭恵夫人の横暴はそれだけに留まらない。
現在わかっているだけでも、「安倍昭恵と行く 80年代のスキー復活!」なるキャッチコピーが躍るスキーイベント「私をスキーに連れてかなくても行くわよ」に2015年から3年連続で夫人付が同行。また、2016年8月に昭恵夫人はハワイの真珠湾を訪れたが、このときも計3名の職員が同行。同年11月25日には、“第2の森友学園”と呼ばれる学校法人加計学園主催の「第6回加計学園杯日本語弁論国際大会決勝大会」に出席したが、同様に夫人付が付き添っている(東京新聞4月12日付)。
しかも、もっと酷いのは、昭恵夫人は自分が主宰する事業の主催を、夫人付職員に担当させていたことだ。
昭恵夫人は2014年に“女性の働き方や教育のあり方を考える”ための私塾「UZUの学校」を開校したのだが、Facebookで同校の講義参加者募集の告知を見ると、「公開・主催者:谷査恵子さん」と出てくるのだ(2015年12月6日開催の第5回講義まで)。つまり、昭恵夫人は、自分が校長の私塾の参加者募集告知といった事務局業務を公務員である夫人付職員にやらせていたのである。
昭恵夫人はこのほかにも、安倍首相の地元・山口県下関市に「昭恵農場」を開き、無農薬の酒米を栽培しているが、昭恵夫人はこの農場での田植えに谷氏を動員、谷氏もTwitterで「腰が痛いのに本当に明日田植えに行くのかなあ私」(2016年6月11日)とつぶやいていた。