この増木氏率いる「監視する会」との関係について籠池理事長は、2月20日放送のTBSラジオ『荻上チキ・Session-22』のインタビューで「知らない」と煙に巻いていたが、最近になって、その関係に肉薄した週刊誌記事が出された。在特会やヘイト問題取材の第一人者であるジャーナリスト・安田浩一氏が「サンデー毎日」(毎日新聞出版)2月26日号に寄稿した「森友学園理事長と右派市民団体の不可解な点と線」という取材記事だ。
このなかで安田氏は前述の「監視する会」HPに籠池氏の名前があると指摘したうえで、会の代表である増木氏(記事では「M氏」表記)への直撃を試みる。増木氏は体調を崩して入院中だとして、代わりに増木氏の妻がインタビューに応じたのだが、安田氏の「Mさんと籠池氏は古くからの付き合いなのか」という問いに対し、妻はこう答えている。
「いつから交流があるのかは知りませんが、一時期は親しくしていたと思います。でも、いつも夫は『籠池には一方的に利用されるばかりだ』と怒っていましたよ。何度も人脈を駆使して政治家を紹介するなどしていましたが、籠池さんのほうから何か手伝ってくれることはないんです」
やはり籠池理事長の政界人脈形成には、元在特会関西支部長・増木氏が関与していた。そして繰り返すが、今日、その増木氏の「百人の会」で、“橋下ファミリー”で維新擁立予定候補の奥下剛光氏が仲良く講演を行う──。これはつまり、維新と森友学園、そして関西の右派ヘイト市民団体の周辺が、完全に手をつないでいることの証左ではないのか。
そんななかで、この「百人の会」が「側近から見た橋下徹元市長の教育政策、他」との演題で橋下の元秘書である奥下剛光氏の講演を行うと、増木氏の妻が2月15日にFacebookで告知していた。その情報を得た本サイトは、剛光氏を直撃するため、現地へ向かったというわけだ。
会合は、大阪市内のビルの貸会議室で行われた。ところが、開始時刻前に増木氏が建物内に入ることを確認したあと、何十分たっても本命の奥下氏が現れる気配がない。途中で出てきた出席者によると、どうも、マスコミが来るということで、「百人の会」側が講演を中止にしたほうがよいと判断、奥下氏は会場にも来ていないということだった。
しかし、そのままビルの外で待つと、数時間後、建物から増木氏ら10名弱がビルのエントラスまで出てきた。やはり、そのなかに奥下氏はいなかったが、確認できただけでも維新の辻淳子・大阪市議をはじめ、関西の地方議員らしき人物の姿が見えた。エントランスに「百人の会」側が用意したと思われる迎えのワゴン車が到着する。その場で増木氏に直撃した。