『第58回 輝く!日本レコード大賞』HPより
昨年12月30日に発表された第58回日本レコード大賞。今回の大賞は西野カナが「あなたの好きなところ」で受賞したのだが、これにはネットで批判が殺到した。
それはそうだろう。西野カナは芸能界のドン・周防郁雄社長率いるバーニングプロダクションが押していたアーティスト。「週刊文春」(文藝春秋)による三代目J Soul Brothersのレコ大1億円買収報道で、バーニングのレコ大支配が明るみになり、その後の動向が注目されている渦中にも関わらず、“バーニング押し”の楽曲をそのまま受賞させてしまう、というのは、信じがたい。
レコード大賞の審査員は評論家数名に加え、新聞記者やテレビ局員(第57回時点では、毎日新聞、日刊スポーツ、読売新聞、時事通信、産経新聞、東京中日スポーツ、報知新聞、東京スポーツ、MBS毎日放送、RKB毎日放送)によって占められている。本来なら、社会の不正を糾す報道機関に所属しながら、自浄能力をまったく発揮せず、こんな買収工作のお先棒を担ぐような真似をして、恥ずかしくないのだろうか。
しかし、実は、西野カナのレコ大受賞の裏では、一部の審査員たちが健全化を訴えて動くも、つぶされていたことが明らかになった。
本日発売された「週刊文春」17年1月19日号によれば、今回審査員長を務めた日刊スポーツの笹森文彦氏が、審査会議の冒頭で「今回は無記名投票にしたい」と提案。特定の芸能プロとの癒着や圧力に関する疑惑を払拭しようとしていたらしい。しかし、他の委員が複数名反対し、結局いつも通りの出来レースに。結果として、審査委員15名のうち10名が西野カナに手を挙げ、圧勝することになったという。レコ大の内情に詳しいスポーツ紙記者もこの「文春」記事について、こんな証言をする。
「あれは事実です。無記名に反対したのも、西野カナを押したのも、ほとんどは、バーニングに近い委員たちだったようです。委員たちはこれまで、接待漬けにされていますからね。裏切ったらどんな目に遭わされるかわからないという恐怖感がありますから、いまさらバーニングに逆らうような行動はとれませんよ」
健全化の動きが潰されたケースはこれだけではない。実は、レコ大の主催者である日本作曲家協会の叶弦大会長も、「潰された」ひとりだという。