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フジ『バイキング』で金美齢が部落差別発言! フジは謝罪したが金は謝罪せず…解放同盟はどう対応するのか

左・金美齢ホームページより/右・フジテレビ『バイキング』番組ページより


「先ほど、VTRをご覧いただく前のスタジオで、出演者の方から不適切な発言、表現がありましたことをお詫びいたします。大変申し訳ありませんでした」

 7月29日放送の『バイキング』(フジテレビ)で、榎並大二郎アナウンサーがこう頭を下げる一幕があった。榎並アナが「不適切」としたのは、ゲスト出演した評論家の金美齢の発言。放送中、金美齢が、被差別部落への差別助長発言をしたのだ。

 スタジオで東京都知事選について出演者らがコメントするなかでのこと。金美齢は、同じくこの日『バイキング』に出演していた生島ヒロシに対して、TBS社員である自身の娘は後輩にあたるのだと語り、生島も「(娘さんから)電話かかってきて、母が暴走したら止めてくださいって」などと、和気あいあいで本筋とは無関係の世間話をしていた。その流れのなかで、金美齢が笑いながらこんな言葉を吐いた。

「私の娘がADだった時代、そこらへん這いずり回った時代に、そうなんですよ、生島さんがMCをやっていた番組の、それこそね、私の娘は“士農工商牛馬AD”っていう、そういうADだったの」

 生島は爆笑、他の出演者もとくに指摘することなくこの話題は流れていったが、しかし、金の口にした「士農工商牛馬AD」という言い方は、「士農工商◯◯」という形でなされる典型的な差別表現だ。これは、賎民身分を強いられた「穢多、非人」の比喩的表現であり、被差別部落出身者への蔑視を表す。実際、金は問題の差別発言を口にしながら、わざわざ指で上から下へ、順に示す手振りをしていた。

 事実、「士農工商◯◯」という表現は70年代以降、何度も抗議や糾弾の対象になってきた。

 たとえば1996年には、大手広告代理店・電通が、自社発行の広告専門紙「電通報」の連載のなかの「士農工商代理店、われら車夫馬丁でござんす」という表現を巡って、自主回収のうえで謝罪文を掲載。「部落解放同盟」に連絡し、電通の人権教育室が事情説明を行っている。

 またテレビメディアでも、2002年にNHK『プロジェクトX』のなかで、インタビューを受けたテント会社の技術者が「士農工商テント屋」と発言。部落解放同盟が抗議し、1年間で4回にわたる確認会、糾弾が続き、研修センターで社内研修が行われている。

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