さらに青木氏は、「プロモーター」や「相談係」と名乗る自分の息のかかった人間を彼女の周囲に次々と送り込んでスケジュールを支配。家族や友人など、香西氏の相談相手と成り得る人々を彼女から引きはがすことまでしていた。
青木氏がそのような行動をしていたのには理由がある。青木氏はマークスインベストメントの社長である他に、AVプロダクション・アットハニーズのオーナーでもあったのだ。
そして言葉巧みな「洗脳」の結果、思考停止状態に陥った香西氏は人里離れた撮影スタジオに連れて行かれ、強要の果てにAV撮影を行うことになるのだった。
「週刊文春」16年7月14日号で香西氏はこのような告発をしているのだが、今週木曜日に発売された16年7月21日号では、青木氏によるさらに悪辣な「洗脳」の実態が明らかにされている。
強要されてのAVデビュー後、香西氏には月に1回のペースで撮影の予定が入るようになった。苦しみながらそのスケジュールをこなす彼女はアルコールと睡眠薬を手放せなくなり、酩酊することで何とか正気を保つような生活に陥ってしまう。そんななか、さらに香西氏を追いつめる事態が起こる。青木氏からシンクタンクを運営するある人物の名をあげながらこう告げられたのだ。
「T社のY会長がお前に会いたがっている。わかってるよな」
これは、もちろん性接待の指示である。
「Y氏は中国や香港にも太いパイプを持っていると聞かされていました。青木はどうしてもY氏のネットワークを利用したかったのだと思います。私は即座に『嫌です』と断りました。すると、青木は『断れば、今後お前のやりたい仕事は二度とさせない』と一方的に宣告しました。私の夢を青木が応援すると約束してくれたので、私は彼の打ち出した戦略を信じ、すでに一年以上、AVにも出演を続けてきたのです。拒めば全てが台無しになってしまう。絶望的な気持ちになりました」
そして後日、彼女は青木氏に連れられY氏と対面。Y氏はその日のうちに香西氏を自分のマンションへ連れ込んだ。