そもそも、旧統一教会といえば、安倍政権と切っても切れない存在だ。岸信介が勝共連合と連携していたことは有名だが、その孫である安倍晋三も旧統一教会系の団体と深い関係にある。たとえば、2006年には旧統一教会系の合同結婚を兼ねた集会に当時官房長官だった安倍氏が祝電を送っている。また、衛藤晟一首相補佐官や萩生田光一副官房長官、稲田朋美政調会長など安倍首相の側近議員の多くが旧統一教会系のイベントなどで講演を行った。また、旧統一教会は自民党に数万票とも言われる組織票を投じ、支援を受けた議員を複数当選させているといわれている。
なお、勝共連合のホームページをみると、その主張は当然のように、安倍政権が打ち出す政策とことごとく一致する。たとえば勝共連合が掲げる〈自主憲法制定運動〉については、〈「人権」の過剰を是正し「義務」を示す〉〈「家族条項」をもる〉〈9条を改め軍事力の保持を明記する〉との見出しが踊り、教育分野についても〈改正教育基本法に基づいた教育の再生〉〈日教組による偏向教育を正せ〉〈愛国心と家庭教育の充実〉と、完全に安倍首相の言うことなすことと同一だ。ちなみに安倍首相は、第二次政権発足以降、勝共連合の機関誌「世界思想」の表紙に実に3回も登場している。
日本会議に旧統一教会など、こうした宗教右派に支援されている安倍自民党だが、繰り返すが、彼らはその本体を悟られないよう、ダミー団体まで使って巧みに選挙戦を支援しているのだ。こうした安倍自民党の極右路線を支える宗教右派の策動を、有権者はよく見極める必要がある。
(宮島みつや)
最終更新:2016.07.04 10:09