〈そして民主党政権時の参議院選挙では菅首相(当時)はテレビ朝日の番組への出演を拒否していますので、テレビ朝日では党首討論は行われていません。
その事は伏せて「安倍総理の都合で報道ステーションでは選挙前に一回しか行われていない、もう一回」と言うのは実にアンフェアです。
菅政権の時はテレビ朝日では0回、テレビ党首討論は4回。
対して今回行われる党首討論は先日行われたニコニコ動画を入れれば実に6回です。
その現実も伏せて安倍総理は党首討論から逃げていると印象操作はフェアではありません。〉
実は今回の『報ステ』の党首討論の最後でも、司会の富川悠太アナが「テレビでの党首討論は今週で最後ということになるんですね」と、もっと話を聞きたい旨を語ると、安倍首相は突っかかり気味に「それね、お答えしましょう! たとえば菅政権のときにですね、『報道ステーション』のときに、菅さん出なかったじゃないですか!」と発言していたのだが、それをまた蒸し返そうとしたらしい。
しかし、実のところ、民主党政権時の参議院選挙で菅直人首相(当時)がテレビ朝日の番組への出演を拒否していたというのは、まったくの大嘘だ。
実際、菅政権時の2010年7月11日投開票の参院選が行われているが、この安倍Facebookの“逆ギレ反論投稿”の1日前に、菅元首相は自身のブログでこう反論している。
〈この件について調査したところ、2010年7月1日の「“参議院選挙各党首に古舘が聞く”」という報道ステーションの番組に当時の菅首相は出演している。
安倍首相は、いつどの番組に当時の菅首相が出なかったというのか明確にすべきだ。
いずれにしても、他人の出演のことを持ち出して、今週で最後と投票日前の2週間の間、党首討論に出ないことを正当化することはできない。〉
事実、2010年参院選においては、投票日10日前の7月1日(木)放送『報ステ』に民主党・菅首相が出演したのを皮切りに、2日(金)放送で自民党・谷垣禎一総裁が登場、翌週も社民党・福島瑞穂党首(5日)、公明党・山口那津男党首と共産党・志位和夫委員長(6日)、みんなの党・渡辺喜美代表、たちあがれ日本・平沼赳夫代表、新党改革・舛添要一代表(7日)、国民新党・亀井静香代表(8日)と、各党の代表が連日出演していた(肩書きはいずれも当時)。そうした事実をガン無視して、「『報道ステーション』に菅さん出なかったじゃないですか!」なるデマを飛ばすとは、安倍首相がやっていることこそ「印象操作」に他ならない。まさに“ホラッチョ安倍”のあだ名がふさわしい。