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個人売春=ワリキリ女性のアンケートで驚きの結果が…貧困が理由のワリキリの自民党支持はなんと“100%”!

 荻上氏は著書『彼女たちの売春(ワリキリ)』(扶桑社)で、売春の動機と経済的事情の関係に着目し、売春を「貧困型売春」と「格差型売春」の二つに分類している。「貧困型売春」はその名の通り、頼れる知人や仕事のない人が生活に必要なお金を稼ぐために売春をするというもの。そして、「格差型売春」は、理想の生活との間にギャップを感じ、その「格差」を埋め合わせるためのお小遣い欲しさに売春をするというものだ。「格差型売春」タイプのなかには、昼職についている人もいるし、大手企業に勤めていたり、有名大学を卒業した人もいるという。

 そして、今回のアンケートでは、「貧困型売春」層と「格差型売春」層で支持政党が真っ二つに割れていることがわかったわけだが、これについて、飯田氏は〈今現在困っていてその解消に必死な貧困層よりも、格差実感層のほうが現在の社会情勢への不満感が高いというのはある意味わからなくはない〉と分析している。

 また、貧困層、経済的弱者に自民党や格差助長政策をとる政治家の支持者が多いという指摘は、小泉政権時代からよくいわれてきたことだ。リテラシーの低い貧困層がナショナリズムの扇動や公務員叩きに騙され、根本的な不平等から目をそらされている、と。

 実際、小泉政権では、内閣府の依頼を受けた広告代理店が〈マスコミ報道に流されやすく「IQ」が比較的低い〉層を「B層」と名付け、ターゲットにして広報戦略をとっていたことを記した文書が流出したこともあった。

 政治学者の中島岳志氏は当時、月刊誌にこんな論考を寄せている。

〈小泉政治はワーキングプアや非正規雇用問題など、現実の不平等構造をナショナリズムの平等原理によって補填し、「現実的な平等性」ではなく「観念上の架空の平等性」を付与することで、逆説的に支持を取り付けた。靖国に熱狂し、中国の反日暴動への嫌悪感を共有するとき、ヒルズ族とフリーターの間の格差は消滅し、平等なメイションとしての幻想が、一気に浮上する。
 小泉、竹中の経済改革は、高額納税者の経済的・社会的地位を安定的に保ち、格差の拡大を促進しつつ、経済的「負け組」に対しては、ナショナリズムが有する「架空の平等性」を利用して、人気と凝集力を獲得した。〉(「論座」07年7月号/朝日新聞社)

 大阪の橋下徹元市長の支持者に対しても同様の分析がなされたし、この傾向は安倍政権が誕生してからも再三、指摘されている。

 だが、一方で、この「弱者が支えるポピュリズム説」には根拠がないという意見も多く、また、あったとしてもその傾向は弱まっているとの分析も出ている。

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