自由民主党HPより
ヘルス、ソープなどの店舗で働くのではなく、出会い系サイトや出会い喫茶を使って女性が身体を売る「個人売春(ワリキリ)」。そのワリキリ経験者に2010年から毎年、アンケートを実施して、動向を調査しているのが、評論家の荻上チキ氏と経済学者の飯田泰之氏だ。
両氏は今年も調査を実施し、「SPA!」(扶桑社)5月3・10日号、5月17日号でその結果を発表した。これによると、個人売春の市場が素人女性ではなく、〈プロからセミプロのセックスワーカーたちによる市場になってきた〉傾向が顕著に見られるという。
昨年、「SPA!」の調査で、「風俗の経験あり」と答えたのは100人中34人だったのに対し、今年は69人。これをキャバクラなども含めた「水商売の経験あり」にまで範囲を広げると、昨年は65人だったのが、今年は82人にまで増えている。ほとんどが個人売春に参加する前にプロの風俗を経験しているのである。
他にも、「SPA!」にはさまざまな興味深い調査結果と分析が掲載されていた。2011年の調査では100人中30人と、精神疾患の病識「あり」との回答が非常に多かったのが、今回の調査では精神疾患率が低下していること、地域間の価格標準偏差が少なくなっていること、そして、価格の下落が今年も止まらず、昨年よりさらに低い1万5700円となっていること……。
こうした現象を受けて、荻上氏、飯田氏はワリキリ市場の形が固定化され、成熟する一方、客離れが起きているのでははないか、と推測している。
だが、今回の調査では、もうひとつ気になるデータがある。それはワリキリ女性たちの支持政党だ。荻上氏はアンケートの結果について以下のように解説している。
〈生活苦や借金苦を理由に、他の仕事も探しながら、せっせとワリキリを行っている。こうした彼女たちは、ワリキリ頻度が多めで、ネットで喫茶を知った割合が最も多く、全員子どもはいない。そしてなぜか、支持政党のある場合、みんな「自民党支持」となった。(中略)一方で、「夢がある」「貯金」「旅行費用」「欲しいものがある」を挙げた人は、クラスターの傾向として「他の仕事がある」「住居がある」「貯金あり層が多い」。そして、こちらはなぜか支持政党のある場合は、みんな「民主党支持」といった傾向が出た〉
貧困が理由で売春している女性は100%が自民党支持、夢の達成や貯金を目的に売春している女性は100%が民進党支持──。いったいこの結果は何を意味しているのか。