「生徒さんたちに『この総理大臣は戦争をしようとしている』と思われてしまうこと自体は良くないことかもしれません」
昭恵夫人は、友人や知り合いからも安倍首相の戦争政策について「なんとかならないのか」と言われるという。そして飛び出したのが冒頭の「私を殺せ」発言だった。
「私は私ができることをしていく。どうしたら平和を構築していけるのかって、私なりに考えて、私ができることを一歩ずつ進めていきたいと思っています。
ただ、主人には『戦争をするときには、私を殺せ』って言ってあるんです(笑)。戦争になったら、私はいない、みたいな」
もっとも身近にいる妻がこんな発言までするというのは、安倍首相が打ち出す政策がいかに戦争への危機感を人々に抱かせているかの証左といえよう。
さらに、不気味に感じたのは、安倍首相を駆り立てている原動力の正体が昭恵夫人の口から語られたことだ。
それは、“主人は家庭では真面目でおとなしくてやさしい”と言う昭恵夫人に、聞き手である青木が「国会論戦などで見せる攻撃的な顔。このギャップがどうしても埋まりません。内と外で見せる姿の乖離というか二面性というか」と突っ込んだ際のことだ。
昭恵夫人は、その二面性を認めた上でこんな話をしている。
「主人は、政治家にならなければ、映画監督になりたかったという人なんです。映像のなかの主人公をイメージして、自分だったらこうするっていうのを、いつも考えているんです。だから私は、主人は安倍晋三という日本国の総理大臣をある意味演じているところがあるなと思います」
これが事実なら、安倍首相は国民の生命や生活がかかっている日本の現実をまるで映画のようにとらえ、「勇ましい主人公」を演じるために政治を行っているということではないか。そして、安保法制を強行し、今、憲法改正にひた走っているのも、ヒロイックな自己陶酔によるものということだろう。
妻だからこそ知っている安倍晋三の本質。日本の総理大臣はもしかしたら、我々が考えているよりも何倍も危険な人物なのかもしれない。
(伊勢崎馨)
最終更新:2017.11.24 09:56