そういう意味では、松本は「保守」でも「右派」でもない。今まで社会問題なんて考えたことのなかった芸人が一生懸命背伸びし、中途半端な知識を仕入れて「俺は現実がわかっている」と大人ぶろうとした結果、まんまと権力の情報操作に取り込まれてしまったということにすぎない。そして、語れば語るほど、底の浅さと無知がばれていく。
松本には、お笑い時代からのファンを幻滅させないためにも、ぜひ、ニュースや社会問題からの撤退をおススメしたいところだが、しかし、問題は松本ひとりのことではなさそうだ。
冒頭でもふれたように、周りを見回してみると、メディアには松本とそっくりな人間がうようよいることに気づかされる。本人は「おとなの意見」を語っているつもりが、権力に丸乗りしているだけ。現実主義と言いながら、逆に現実社会を棄損するような政策に平気で追随する。この国の平和や民主主義を破滅に導いていくのは、もしかしたら、右派やネトウヨではなく、彼ら「わかったつもりのオトナぶりっこ」「権力にのせられているだけの自称現実主義者」なのかもしれない。
(エンジョウトオル)
最終更新:2016.02.04 10:02