そして、とどめを刺す形になったのが、昨年1月の「週刊文春」(文藝春秋)のインタビューだった。本サイトで何度も書いてきたように、派閥問題を訊かれて激昂したメリー氏はインタビュー中に飯島氏を呼びつけ、記者の前で「ジュリーと対立するつもりなら、SMAPを連れて出て行け」と事実上のパワハラ解雇通告を行ったのだ。
しかも、こうした圧力は飯島氏本人だけでなく、飯島派のタレントにも及んだ。
「週刊文春」のインタビューでは、SMAPに対して「踊れないでしょ」とバッサリ切り捨てたのをはじめ、タレントたちにも露骨に圧力をかけ始めた。
また、飯島氏管轄のKis-My-Ft2のチーフマネジャーは一昨年から昨年にかけ、2度にわたって、メリー氏からクビを言い渡されたという。
「理由は、キスマイのブッキングに関する些細なことのようです。ところが、いきなり呼び出されて、ものすごい剣幕で『お前を絶対に許さない! クビだ』と怒鳴られたらしい。このマネージャーはメリーさんに土下座して許しを請い、なんとかクビをつないだと聞いています」(前出・ジャニーズ関係者)
さらに、飯島派のタレントを褒める記事を書いたスポーツ紙には直接、電話をかけてきて「あなたは飯島派なの!」と怒鳴りつけることもあったという。
こうした一連の圧力に追い詰められた飯島氏がSMAPを連れて独立に向けて動きだしたわけだが、しかし、メリー氏はその後も錯乱としかいいようのない行動で、事態を引っ掻き回すことになる。
飯島氏とSMAPの独立については、当初、メリー氏のほうから解雇を通告したこともあって、ジャニーズ側も申し入れを受け入れ、昨年の秋の時点では、円満独立に向けて双方の弁護士が細かい権利配分の話し合いをする段階までいっていた。
ところが、12月くらいにメリー氏は突然、一番旨味のあるコンサートの興行権を「全部よこせ」と言い出したのだという。そして、飯島氏サイドが条件交渉しようとすると、「絶対に独立させない」と激昂。仲介者の田邊昭知氏に働きかけたうえ、裏でつながっていた木村拓哉にジャニーズ残留を表明させて、独立話を完全にツブしてしまった。その結果、飯島氏と中居ら4人は一時行き場を失い、SMAP分裂が確定的な情勢になったのだ。ある芸能プロダクション幹部はこのメリー氏のやり方に首をひねる。
「経営者として、ありえない判断だよ。こういう場合、条件交渉に応じてある程度の権利を確保した上で、独立させるのが普通のやり方。プロダクションとしては、それが一番リスクがなく、金になる。逆にもめてSMAPを解散させてしまえば、百億円近い売り上げが消えてしまう上、世間の反発も買うことになる。揉めてこのゴタゴタが表に出てしまったら、ジャニーズ全体のイメージダウンにつながるしね」