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甘利大臣の“茶番”辞任会見を称賛するテレビ局の異常! 日本テレビは会見当日朝のラテ欄で「幕引き」を宣言

 金銭授受を認めたのに「極めて見事」って、おかしすぎるだろう。ようは“甘利大臣は悪くないが男を見せた”というようなことが言いたいらしい。しかし繰り返すが、甘利氏の弁明は疑惑を矮小化するもので、本来なら議員辞職を避けられないところをごまかして逃げたにすぎない。見事でもなんでもなく、そもそもこんな会見をせねばならない時点で、政治家として完全に失格なのである。

 しかも高井氏は「あっせん利得処罰法にはあたらない」などと断言するが、もしかして、この人は弁護士なのにこの法律ができた経緯も知らないのだろうか? 

 そもそも、あっせん利得処罰法は2000年に成立したが、これは、受託収賄罪から漏れるような、政治家による金銭を授受しての口利きを禁止するためにつくられた法律である。

 その第1条1項には、〈衆議院議員、参議院議員又は(略)〉が〈国若しくは地方公共団体が締結する〉請負や契約、あるいは〈特定の者に対する行政庁の処分〉に対し、〈請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせん〉をし、報酬として利益を得たときに3年以下の懲役が科せられる、とある。また、第2条では〈衆議院議員又は参議院議員の秘書〉が同様のことを行った場合には懲役2年以下が科せられることになる。

 高井氏のいう「国交省がらみの権限があるかないか」でいえば、甘利氏は閣僚という有力国会議員であり、どう考えても権限を有していると言わざるを得ない。また、〈請託を受けて〉という部分に関しても、過去にはそれが具体的に特定されていなくとも起訴された例がある。それらを踏まえたうえで、甘利氏は建設会社側から計100万を授受したことを認めており、しかも、その授受の直前に陳述があったのだから、明らかに「請託」と考えるのが自然だ。そう、普通の感覚で考えれば、甘利氏は完全にクロなのである。

 つまるところ、先に紹介した日テレの“願望丸出しラテ欄”と、その放送内容をあわせて考えると、読売グループが政権を忖度して、ダメージを減らすような報道をしようと考えたようにしか見えないのである。

 頭が痛くなるような話だが、しかし、この日テレのケースは、おそらく、これからメディアで起きることの象徴にすぎないのだろう。断言できるが、マスコミの“幕引きムード”はこれから確実に濃くなっていくはずだ。たとえば、時事通信社特別解説委員の田崎史郎氏あたりが、今日にでも情報番組などで甘利氏擁護の弁を振るうと思われる。

 この茶番会見での言い分をそのまま垂れ流し、国民を裏切る重大犯罪を批判するどころか、アシストまでしてしまう御用メディア。官邸が手を回し甘利氏を不起訴にしたときのための“空気づくり”は、すでに行われているのだ。この汚職政治家とメディアの共犯関係に、私たちは目を光らせておく必要がある。
(宮島みつや)

最終更新:2016.01.29 04:58

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