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8兆円の年金が消えた! 安倍政権が株価維持のため年金を株につぎ込み巨額損失…なぜ誰も責任を追及しないのか

 安倍首相はかつて「日銀がお札をグルグル刷ればデフレが解消される」と言った程度の経済認識しか持っていない。まず金持ちを儲けさせれば、やがて富の滴が底辺層にも行き渡るというありもしないトリクルダウンを本気で信じていた。主婦がパートに出れば月に25万円も稼げると思っている。そんな安倍首相は前出1月8日の衆議院予算委員会で、山井議員の質問に色をなしてこう答えているのだ。

「民主党政権下であった平成21年9月から平成24年9月までの累計収益額は4.1兆円だったわけでありますが、それ以降の(安倍政権下での)累積収益は今回のマイナスを含めても33兆円プラスになっているということでございまして、そこを押さえておくことが大切であろうかと思います。年金運用というのは、ある程度、長期的なものを見ながらしっかりとどれくらい収益が上がっているかということでありまして、安倍政権下におきましては、このマイナスをもってしても33兆円プラスになっていたと、これが事実と申し上げておきたい」

 バカも休みやすみ言って欲しい。33兆円プラスは、実は安倍首相の肝入りで運用方針が転換される2014年12月までの収益なのだ。アベノミクス・ポートフォリオで運用された2015年1月以降、同年9月まで収益は2兆8245億円ものマイナスに陥っている。しかし、民主党議員も新聞も、そこのところはほとんど突っ込んでいない。繰り返すが、安倍首相が胸を張る33兆円のプラスは旧来のポートフォリオが生み出したもので、アベノミクス改革による収益は赤字になっているというのが事実なのだ。

 前述のように昨年9月の底値が1万7388円、1月26日の終値が1万6708円。おまけにアベノミクス改革によって投資比率を増やした外国株も外国債券も昨年9月の水準を下回っている。にもかかわらず、GPIFの理事長は昨年1月、給料を6割も上げて、年収3100万円になっている。やらずぼったくりとは、このことだ。

 年金は老後の生活を支えるまさに命の綱だ。バブル再来を期待して切った張ったの博打相場に投資した末に、何がやってくるのか。国民は、そろそろ気づいた方がいいだろう。
(野尻民夫)

最終更新:2016.01.26 05:04

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