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宜野湾市長選で反翁長キャンペーン活発化! 産経新聞が沖縄のネトウヨ新聞・八重山日報と一体化しデマ拡散

 つまるところ、この“基地反対派による女児暴行”報道は、最初から最後まで右派の典型的なデマゴギーだったのだ。にもかかわらず、仲新城編集長は『翁長知事と沖縄メディア』で、このデマ事件についてこのように記している。

〈インターネットの掲示板やツイッターは、恐らく米軍基地反対派と思われる人たちの「八重山日報の記事はデマだ」「八重山日報は右翼新聞だ」などという私たちへのバッシングのコメントであふれ返った。(中略)
 沖縄県警によると、女の子に大きなけがはなかった。結局、真相は分からずじまいで、暴行の背景に反基地感情があったかどうかは不明だが、日頃米軍基地による人権侵害を訴えている人たちなら、女児への人権侵害も深刻に受け止めなくてはならないはずだ。
 しかし実際には、報道を「デマだ」と断じ、新聞社に連日、執拗な罵詈雑言を浴びさせる。この人たちの人権感覚がわからなくなった〉

 ひどい論点のすり替えである。「背景に反基地感情? ハーフ女児押し倒す」と報じたのはどこの新聞だ?と聞きたくなるが、しかも、このデマ報道に対する批判を“基地反対派の攻撃性”などといって反転すらさせている。

 言っておくが、基地反対を名目に女児を暴行することも、ハーフの人たちや外国人を差別することも、決して許されることではない。当たり前だ。八重山日報の報道が問題になったのは、女児への暴行事件報道の曖昧さもさることながら、保守活動家の妄想コメントに丸乗りして“基地反対派の犯行”とミスリードしたからだ。

 どうやら、八重山日報は自らが“デマ拡散装置”になっている自覚がないようである。しかし、ここで見逃せないのは、弱小地方紙である八重山日報が大手全国紙の産経新聞と綿密に結びついていることだ。

 実際、産経新聞のウェブ版「産経ニュース」では、10月に、仲新城誠氏の署名記事がシリーズで掲載されているし、そもそも『翁長知事と沖縄メディア』自体、産経新聞社刊行の右派論壇誌「正論」で連載されていたものがベースだ。

 また、「新しい歴史教科書をつくる会」の元関係者が携わる育鵬社の教科書の採択問題で揺れていた2013年に、八重山日報は9月14日付の一面トップで「育鵬社不採用の協議無効」と見出しを打った。しかし、その記事は産経新聞の記事をそのまま転載したものだった(野中大樹「ルポ 狙われた国境の島 2」/「週刊金曜日」11年12月9日号)。

 こうした状況からしてみても、両者の蜜月は明らかだろう。そう考えると、今後、産経が八重山日報を使って“言論弾圧されているが、沖縄には基地賛成の大きな声がある”などと触れ回ることは容易に予想できる。

 安倍政権の意向を汲んだ右派新聞が繰り出す基地反対バッシングキャンペーンとデマ攻撃に、今後も注意深く監視していく必要がある。
(宮島みつや)

最終更新:2016.01.20 12:51

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