このまま訴訟となれば、巨額の賠償金が国民の血税から出されることになる。本サイトは、見直し案が隈氏案に決定した直後から、見直し案の“パクリ”を指摘する専門家の声を伝え、さらに、その決定の背後にあった“出来レース疑惑”を報じていた。以下に再録するので、新国立問題の闇の深さを今一度確認するとともに、この責任をとるべきは誰なのか、よくよく考えてみてほしい。
(編集部)
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新国立競技場の見直し案は昨日、隈研吾氏設計、大成建設施工のA案に決定したことが発表されたが、早速、トラブルが巻き起こっている。
旧デザイン案の設計者であるザハ・ハディド氏が「今日発表されたデザイン案は我々のものと驚くほど似ている」と、パクリ疑惑を指摘したのだ。これには、当初、マスコミもネットも「何を言ってるのか」「完全な言いがかり」と相手にしていなかったが、実はそうではない。
たしかに、外見は全く違うように見えるが、内部の観客席の構造がそっくりらしいのだ。
実際、選ばれなかったB案の設計者である伊東豊雄氏も会見で、「表層部分は違うが、(国産木材を多用する装飾を)はぐと、中身はザハさんの案とかなり近い」「訴えられるかもしれないですよ」と警告を発した。
しかも、A案の観客席の構造がザハ案とそっくりなのは、たんなるパクリではなく、もっと根深い問題があるようだ。
ポイントは、施工業者が大成建設という点だ。大成建設はザハ案でスタンド工区=観客席の工事を担当することになっており、それにあわせて、すでに大量の資材や下請け業者をおさえていた。
「つまりそうした資材や準備が無駄にならないように、観客席はザハ案とほとんど同じ構造にしたのではないでしょうか。実際、観客席の構造は隈さんではなく、大成と梓設計が主導で進めていたようですから」(建築関係者)
ようするに、ザハ案白紙撤回の終戦処理という意味合いがあったということらしいのだが、実は、これと同じ理由で、そもそも今回の選考自体に疑惑がささやかれている。それは、大成建設を勝たせることがあらかじめ決まっている出来レースだったのではないか、というものだ。