また、せっかくできた「リベンジポルノ防止法」だが、ここにも重大な欠陥がある。それはこの法律が「親告罪」であるということだ。仁藤氏はこう語っている。
〈リベンジポルノの怖いところは、どこに流されているか気付かないところなのに。知らないところで、見えないサイトで、例えばお金を払った人だけが見られる会員制サイトで、自分のセックス中の動画を流されたりしているとかだと気付けないし。自分の目に触れていないと告訴できないじゃないですか、そもそも。それがすごく問題です〉
また、運良くネット上に広まっている写真を捕捉でき、告訴に踏み切ったとしても、前述の通り、捜査機関から保護者に連絡が行く。特に若年層にとってはかなり使いにくい法律と言わざるを得ない。
リベンジポルノに関する問題はまだ議論が始まったばかり。諸制度に関してはこれからの見直しが求められるとして、我々はまず「悪いのは『撮らせた』方ではなく、それを『さらした』方」であるということを確認する必要がある。リベンジポルノ問題の解決は、兎にも角にも、まずそこから始まる。
(井川健二)
最終更新:2015.12.24 06:10