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はすみとしこを生んだのはこの人? 曽野綾子がハロウィンの親子に「卑しい魂胆」、難民を「狡い人、難民業」と攻撃

三浦朱門・曽野綾子『夫婦のルール』(講談社)

 年々盛り上がるハロウィン。最近は、メディアやネット上でその盛り上がりについて賛否両論がたたかわされることが恒例になっているが、今年はあの人が、ハロウィン論戦に参入した。安倍政権推奨の道徳教科書に載りながら、例の「アパルトヘイト擁護発言」で世界中から非難を浴びた曽野綾子センセイである。

 産経新聞11月4日付「ハロウィーン狂騒」と名付けられたコラムで、ハロウィンが日本古来の文化ではない、ということを述べた上で、こんなことを書いている。

「他民族の文化を共に祝っていけないことはないのだが、日本のハロウィーンには、ただで子供たちにお菓子をもらわせようとする卑しい魂胆の見える親たちがいたからだ、と言う人もいる」
「子供に夢を持たせ、遊ばせ、しあわせな気持ちにすることが悪いのではない。しかし親たちまで扮装をし、子供にできるだけたくさんお菓子をもらわせようとしているのを見るのはやはりわびしい」

 ようするに、ハロウィンでたかり行為が横行しているかのようなことを書いているのだ。でも、これ、本当なのだろうか。たかだかお菓子をたくさんもらうためだけに何万円もかけて盛大に仮装するなんていう、コストパフォーマンスの悪いことする親が本当にいるとはとても思えないのだが……。というか、子どもがハロウィンでたくさんお菓子をもらうくらい別にいいじゃないか。

 そもそも、曽野センセイは以前、自分の息子について、まったく逆のことを語っていたはずだ。夫である三浦朱門と自分たちの家族のことを語った共著『夫婦のルール』(講談社)にはこんなくだりがある。

〈息子も相当なものでした。駅前に床屋さんがあったんですが、ある日そこのおじさんが、『お宅の息子さんはすごいね』と言うんです。『おじさん、漫画を買ってきてよ』って言うから、『今度な』と生返事してたら、『今すぐ買ってきてよ、隣が本屋でしょ?』と言ったんですって。『読みたい漫画を注文するんだ。大した度胸だよ』。きっと友達づきあいをするときに、その漫画を読んでいないと具合が悪かったんですね。でも、うちでは買ってくれない。だから、床屋でこっそり読んでいたわけです。それで、続きが読みたかったから、おじさんに頼んだんでしょうね。親が禁じると、子どもは何とかして自力で解決しようとする。合法的にちゃんとそれを乗り越える道を覚えるんですよ。〉

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