いかがだっただろうか。いかに多くの“良識”を看板にした人びとが、政権側に立ち、法案成立に与してきたか、その一片を知っていただけたかと思う。
今回、ランキング内でも度々指摘したように、ほとんどの自称ジャーナリスト、あるいはキャスター、タレントたちは、安保法案の問題点(そもそも違憲であること、与党の答弁が滅茶苦茶であること、審議が不十分であることなど)に気付いていたはずだ。しかしそれは言葉にせず、無視し、ヘイトデモには文句をつけないくせに反対デモにはヒステリックに猛批判を行い、問題を矮小化し、法案を後押しした。
ミュージシャンのボブ・ディランは、かつて、このような言葉を綴っている。「最低の犯罪者とは、間違ったものを目にし、それが間違っていることに気づいたのにもかかわらず、そこから目を背けてしまう人たちだ」と。
「最低の犯罪者」たちは、これからも間違いに目を背けつづける。だから、わたしたちはそのことを注意深く観察する必要がある。無論、このような者たちを重宝するメディアのあり方そのものについても、だ。
そうしなければ、この国はいよいよ戦時下の言論状況と等しい状態になってしまうだろう。
(編集部)
最終更新:2017.01.07 12:46