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SKE時代にはもう戻りたくない…卒業したアイドルの告白から見る、アイドル業界の過酷さ、貧困、性接待強要の実態

 金子栞といえば、世間的な知名度は低いものの、SKE48のシングル「オキドキ」「片想いFinally」「アイシテラブル!」の3作で選抜入りし、“SKEのエース候補”とも呼ばれた人物。13年の選抜総選挙では63位にランクインしている。

 そんな恵まれたキャリアを歩んだ人物すら、卒業後このような赤裸々な本音を暴露したことに驚きが隠せないが、昨今のアイドル界の状況を振り返ってみると、その惨状はこんなものではなかった。

 まず、金子栞も所属していたAKB48グループについて。「週刊文春」(文藝春秋)2010年5月6日・13日合併号では、メンバーの父親(名前は伏せられている)からの手記が掲載された〈AKB48は現代の「女工哀史」〉という記事が組まれ、当時大きな話題となった。

 そこには、朝は始発で出かけて夜は終電で帰ってくる過酷な労働環境、そして、それだけのハードワークなのにも関わらず理不尽な薄給しかもらえない悲惨な状況が告白されていた。

〈いまだに娘の給料は約十万円です。現在の所属事務所との契約にはCDの印税から何%、写真やグッズなどの売上から何%、と歩合収入が明記してあったのですが、加算されていないのです。
 イベントのグッズ売上でいくらかの振り込みが一度ありましたが……。親同士で話してみると、ごく一部のメンバーを除いて、選抜組でも月給十万円程度。それなりの額をもらっている人はどうやら三、四人のようです〉(前掲書より)

 記事掲載から5年ほどの月日が経過しているので、現在の状況はこのときに比べれば好転しているのかもしれないが、AKB48グループが栄華を極める過程には、こういった許されざる犠牲があったのである。

 ただこれなどは、たとえ月給10万円でもお金をもらえていただけまだマシなのかもしれない。さらに調べていくと、アイドル業界に蔓延する“貧困”は目を覆うばかりだった。

 とくに悲惨なのが“グラビアアイドル”である。

 出版不況で雑誌が次々と休刊に追いやられ、ただでさえ露出できる紙媒体が少なくなっているのにも関わらず、巷間知られている通りのAKBグループによる水着グラビア進出でグラビアアイドル業界は死屍累々の状態。そこに、雑誌編集部からの“制作費カット”が追い討ちをかける。

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