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安田純平氏のシリア拘束で政府は? 懸念されるイスラム国人質事件の対応の繰り返し

一刻も早い安否の確認が望まれる(安田純平Facebookより)


 ジャーナリストの安田純平氏がシリアで消息を絶ったという問題は昨日、CNNでも報道された。本サイトがつかんだ情報では、ISとは別のイスラム過激派に拘束された可能性が高く、ヌスラ戦線などの名前も取沙汰されているが、いずれにしても、一刻も早い情報収集、状況把握、解放交渉が必要な切迫した事態であることはたしかだろう。

 しかし、日本政府の動きは鈍い。いや鈍いどころか、何か手を打っている気配もない。大手マスコミも菅義偉官房長官の「拘束されたとの情報に接していない」の一言で、これを一切報じていない。

 この状況を見ていて思い浮かぶのはやはり、先のイスラム国人質事件だ。あの事件では、後藤健二さんと湯川遥菜さんという2人の人質が惨殺されたが、日本政府の対応は無策どころか、むしろイスラム国を挑発し、事態を悪化させるものだった。

 最近出版された『検証「イスラム国」人質事件』(朝日新聞取材班/岩波書店)でその詳細が描かれているので、同書を紹介しながら、改めて事件を振返ってみたい。責任はどこにあるのか、政府は何をすべきだったのか、何をしなかったのか。安田氏の拘束が濃厚となった今、それを検証することが、安田氏救出のヒントとなるはずだ。

 イスラム国事件では2015年1月20日、イスラム国側が2人の殺害予告映像を流す以前に政府がどう対応したかが重要だった。イスラム国の人質となり、その後解放された人々は全員、映像公開以前の水面下での交渉の結果だった。そしてオレンジ色の拘束服を着せられ映像を公開された人質は全員殺害されていたからだ。

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