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秋元康の五輪演出にあの小説家がNO!「AKBは児童ポルノ」

 忘れてはならないのは、五輪は日本のイベントではなく、世界中の視線が集まるということだ。だからこそ、北京五輪ではチャン・イーモウ、ロンドン五輪ではダニー・ボイルと、世界的に有名な映画監督が総合演出をつとめてきた。

 しかし、秋元康はどうだろう。日本のファンは「COOL JAPANの象徴」と勘違いしているかもしれないが、アニメやマンガとちがってAKBは海外単独ツアーの経験さえなく、世界ではまったく相手にされていない。それどころか、中原が指摘するように、欧米のメディアから「性的搾取に関与」「児童ポルノ」と批判されたことさえあるのだ。

 そんな人物に五輪の総合演出をやらせても、それこそ都議会のセクハラ野次と同じで、またぞろ国際感覚のなさを世界にさらすことになるだけではないか。場合によっては、海外メディアから「児童ポルノの仕掛人が東京五輪の総合演出に」と集中砲火を浴びせられる事態にもなりかねない。

 そんなことにならないためにも、ぜひ、対抗馬が出てきてほしいところだが、難しいのは、では誰が適任か、という問題だ。中原も何人か候補を挙げているのだが、坂本龍一は〈脱原発文化人だからダメか〉、演出家の野田秀樹も〈オリンピック・スタジアムは広すぎるのでは〉、ビートたけしについても〈引き受けることはないだろうが、年齢もちょっとひっかかる〉、サザンオールスターズに対しては〈ぜひ歌ってもらいたいけど、総合演出はない〉と考えあぐねている。〈後は宮崎駿という名前ぐらいしか出てこない〉と書いているが、それこそ、たけし以上に宮崎が引き受けることはないだろう。

 そう考えると、現実にはやはり、秋元が総合演出に抜擢される可能性が極めて高い。秋元は周知のように安倍晋三首相と頻繁に会食するほどべったりなうえ、政府がらみの権威のあるイベントにはことごとく関係しているからだ。天皇在位20周年の奉祝式典でオリジナル奉祝曲の作詞を担当して、EXILEに歌わせたのもの、秋元だった。

 また、秋元自身にとっても、東京五輪は下降線に入ったAKB人気を取り戻す格好の機会であり、総合演出は喉から手が出るほどほしいポジションだろう。

 〈秋元康がよりのさばる「ビジネス・チャンス」になるぐらいなら、今からでも遅くない、「東京オリンピック2020」は即刻辞退すべきだ〉と中原は締めているが、はたしてこの声は届くのだろうか。
(田岡 尼)

最終更新:2017.12.07 06:19

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