『直撃LIVE グッディ!』で朝日批判をする北村晴男弁護士
森友学園との土地取引にかんする決裁文書が改ざんされていた問題は、麻生太郎財務相の「ゼロ回答」以降、大きく動き出した。それに合わせて、ようやくマスコミも重い腰をあげて取り上げるようになり、ワイドショーでも伝えられるようになってきた。
しかし、本サイトが予見していたように、案の定、安倍応援団のコメンテーターたちは、改ざんした政府ではなくこの問題をスクープした朝日新聞のほうをバッシングするというとんでもない行動に出ている。
たとえば、昨日放送の『ひるおび!』(TBS)では、はじめてこの改ざん問題を取り上げ、朝日の報道を紹介したのだが、そこで番組レギュラーの八代英輝弁護士は、こんなことを言い出したのだ。
「私はちょっと踊りたくないなと思っている部分がありまして。ようするに、改ざんされた文書が国会議員に開示されて、じつは改ざん前の文書があるんだっていうのは、誰が改ざん前の文書を見たことがあるんだ?ってところに立ち戻ると、朝日新聞の報道ですよね? 朝日新聞の報じていることにいま日本中が乗っかってるわけですけれども、その朝日新聞もひとつ躊躇してある」
「いま本当にこの文書があるという立証責任を負っているのは、僕は朝日新聞な気がしますし」
政府ではなく朝日新聞に立証責任がある──だと? 一体、どうしたらそんな話になるのだろう。本サイトでは5日配信の記事でも言及したが、民主主義国家では権力や企業の不正報道について関係者の匿名証言や間接証拠だけでも十分報道する必要があり、逆に、疑惑をかけられた政府こそ、それが黒なのか白なのか、徹底調査をおこなう責任がある。挙証責任はマスコミではなく、政府にあるというのが常識だ。だいたい、「物証」や「実名証言」がなければ、権力の不正が報道できないのであれば、メディアは権力の監視なんてまったくできなくなってしまう。
しかし、この暴論を吐いたのは、八代弁護士だけではなかった。同じ日に放送された『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)では、番組コメンテーターの北村晴男弁護士が鼻息荒くこうまくし立てた。
「(朝日は)コピーを入手したとも書いていないので、ここを朝日新聞は明らかにしたほうがいいですよ」
「(改ざん前の文書が)『あることを確認した』っていうのが非常に曖昧なんですよ、朝日新聞の報道が。ここは、もしそんなものがあったのなら、コピーを入手して紙面に出すべきなんですよ! それをやらなければどう判断していいかわかんないです、我々は」