前川氏は不当逮捕されないためにも、むしろ積極的にマスコミの取材に応じるべきだが、問題は新聞・テレビだ。このまま官邸の恫喝に屈するのか、それとも撥ね返すのか。──その結果は明日の新聞や夜のテレビ報道で判明することになるだろうが、このまま官邸の圧力に負けて言いなりになっていいわけがない。
そもそも今回の内部文書の出所は複数あると見られており、今後もどんどん「証拠」が出てくることは必至だ。事実、きょうは民進党が、国家戦略特区諮問会議が獣医学部新設を認めた昨年11月9日の前日に文科省でやりとりされていたメールのコピーを公開。そこには「大臣及び局長より、加計学園からに対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨早急に厳しく伝えるべき、という指示があった」と記されており、獣医学部の設置条件に合うように文科省が加計学園に“特別な入れ知恵”を行っていたことが判明した。
また、同じく本日、安倍首相に加計学園から金が渡っていたことも発覚。日刊ゲンダイによると、安倍氏は過去に加計学園グループである学校法人広島加計学園の監事を務めており、1999年度分の「所得等報告書」によると、その報酬として14万円ほどを受け取っていたと報じている。
掘れば掘るほど疑惑が山積みとなり、問題が浮き彫りになっていく加計学園問題。そのなかでも、文科省事務次官という官僚のトップとして加計学園の獣医学部新設にかかわってきた前川氏の証言は極めて重要であり、こうした内部告発者に報復がくわえられるようなことは絶対にあってはならないだろう。下劣な官邸に対し、マスコミには徹底抗戦を期待したい。
(編集部)
最終更新:2017.05.25 11:05