ヤジから「暴力だ」への流れが共謀罪のすべてを物語っている
「自民党・土屋議員の発言は、このようなテロとまったく関係ない打ち合せであっても『テロ等準備罪だ』という言葉を利用して、共謀罪を成立させようとしている。こういうふうな考え方が蔓延っているという証明ではないかというふうに思っているんです。これは打ち合せをした、逢坂(誠二)議員、枝野(幸男)議員、階議員が“2人以上で計画をしたもの”、そして階議員が実行部隊、こういうふうに解釈されたのではないかと思いますが、この件について、大臣のご見解、感想をおききしたいと思います」
これについて、金田法相が「委員会における審議の経過についてということであれば、法務大臣としてお答えする立場にないので、お答えを差し控えたい」と逃げをうつと、今度は発言の主である自民党・土屋議員に矛先を向ける。
「土屋議員、あれから沈黙を守ってらっしゃいますけど、これ重大な発言だと思いますよ。やはり後ろめたいことがあるんだなと判断せざるを得ない。しっかりこの発言に対しての責任をとっていただきたいと思います」
「『野次は飛ばしたが、中身はおぼえていない』というふうに答えているが、本当におぼえていないのか。もし委員長の許可をいただけるのであれば、土屋理事にお答えいただきたい」
もちろん、これも委員長に却下されるのだが、上西議員はまったくひるまず、土屋議員の「テロ準備行為じゃないか」にヤジについてこんな鋭い指摘を展開したのだ。
「この土屋発言、この法案が可決されれば一般社会であのようなことが起こるんではないかということがあり得るから私はこの法案に反対という立場をとっているんです。テロなんて関係ないのに、テロ準備行為というふうに断言されてしまう。そして、階議員が土屋発言に激高したら、肩を押した。一連の流れ、これひとつのパックなんですね。この流れがすべてこのこと(共謀罪)を物語っている。 たとえば、一般人が集まって話し合いをする。そこに警察が来てテロだと言われる。そうするとビックリして『ちょっと待ってくださいよ』ということで、警察に触る。それが公務執行妨害ということになってしまうわけなんですよね。特定秘密保護法案が成立し、そしてフルスペックの盗聴法も成立しました。ここで共謀罪が成立すれば、これまさに戦前の特高警察なんですよ。これと同じことが起こる。これ思想警察なんです。これまさに安倍総理と自民党が考えそうなことだなというふうに思うんですけれども、ここで一番重要なのはここ法務委員会の自民党議員がコトの重さに気付いていない。だからこそ、土屋議員もあんなに軽率な発言をされたんだと、こういうふうに思いますし、自民党議員の皆さん方もそれをかばっていらっしゃる。その程度の考え方でこの法案を可決させてしまおうとしている」