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朝日新聞が「押し紙」で公取委から注意! 読売にも疑惑あるのに朝日だけが狙われたのはなぜ? 背後に安倍政権

 しかし、それでも、当時、販売店が過剰な部数の新聞を引き受けていたのは事実で、その規模も読売新聞が一番大きかったというのは、定説になっている。

「14年には朝日新聞が前年比48万部減、読売も66万部減と下げ幅が過去最大になったんですが、これは、押し紙を大幅整理したからといわれているんです。つまり、減らした部数を見ても、読売の方が規模が大きかったことが読み取れる。しかも、押し紙はこの時期にかなり減っていて、今は大きな問題になるようなレベルのものではないと言われているんですが」(大手新聞の動向に詳しいジャーナリスト)

 では、なぜ今回公正取引委員会がこのタイミングで朝日新聞だけに「注意」を行ったのか。

 言うまでもなく公正取引委員会は総理大臣直属の行政機関であるが、この問題を取り上げた「週刊ポスト」(小学館)4月29日号には、今回の朝日新聞「押し紙」問題と政権との関係を示唆する興味深い記述がある。

〈実は、安倍首相は押し紙問題が新聞社のアキレス腱であることを熟知している。官房長官時代、参院予算委員会でこう答弁していることからもわかる(06年3月)。
「私の秘書のところにもある新聞社が1カ月、2カ月間タダで取ってもらいたいと(略)また、いわゆる押し紙も禁止されているのに、いわゆる押し紙的な行為が横行しているのではないかという人もいるわけでありまして、実態としてはそういうところもしっかりとちゃんと見ていく必要もあるんだろう」〉

 つまり、朝日新聞の「押し紙」問題の浮上は安倍首相の思惑が背景にあるという指摘だ。

 確かに、安倍首相の朝日嫌いは有名で、今回の問題にも大きな関心を寄せているといわれる。ある政治記者はこんな証言をする。

「押し紙問題は、何も朝日新聞の問題ではなく、読売、毎日、産経、日経など大手紙を中心とした新聞業界全体の“闇”です。しかし今回、官邸サイドからは「朝日はけしからん」とする一方で、しかし読売と産経に関しては「自主的に押し紙を廃止させるべく努力し、この2紙の押し紙問題は解消している」と擁護するかのような情報が流されているのです」

 朝日を標的にし、親衛隊メディアである読売と産経の押し紙には目をつぶれ。そうした卑劣な情報操作を行っているフシさえあるという。

 だがこうして政権に付け入る隙を作ったメディア側の問題も大きい。朝日新聞は「強制ではないから押し紙でなく予備紙」などと主張するのではなく、誰が見てもクリーンな体制にすべきだろう。さらなる言論弾圧の口実を与えないためにも、である。
(伊勢崎馨)

最終更新:2016.04.28 04:01

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