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黒人差別の丸山議員が「民主主義は戦勝国の論理」とトンデモ発言…自民党に蔓延する「国民主権廃止」思想

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「丸山和也 オフィシャルブログ「みんなで創ろう感動と挑戦」Powered by Ameba」より


「例えばいま、アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。はっきり言って」

 自民党の丸山和也参議院議員がアメリカのオバマ大統領を念頭に「黒人奴隷」と発言した問題は、海外メディアでも「日本のトランプ氏?」(CNN)などと報じられ波紋を広げている。丸山議員は「大変誤解されている」「批判は不条理で非常に怒りを覚える」などと逆ギレしているが、発言が人種差別を想起させると考えもしなかった時点で、人権問題に対する意識があまりにも低すぎると言わざるを得ない。

 だが、実は、丸山議員は今回の「オバマは黒人奴隷」発言以前にも、こんなことを言っていたのをご存知だろうか?

〈参議院予算委で、一年間民主主義とは何かを長谷川三千子先生を講師に勉強したことを述べたが、いわゆる民主主義は第一次世界大戦の戦勝国を正当化するために作り出された用語であることを学問的にしった。17条の憲法や五カ条のご誓文の優れて真に民主的なことについても。〉(丸山氏のツイッターより、2013年5月16日)

 ……いったい、何を言っているのだろうか、この人は。「民主主義は第一次世界大戦の戦勝国が正当化するために作り出された用語」だって? そんなわけがないだろう。

 そもそも、民主主義(デモクラシー)の語源はギリシャ語の「デモクラティア」(民衆による支配)だ。古代ギリシャにすでにその萌芽が見られ、また、現在でいうところの民主主義も、そのエートスはロック、ルソーの影響をうけたアメリカ合衆国憲法やフランス革命にあらわれている。いうまでもなく、第一世界大戦よりも100年以上も前の話だ。

 しかし、丸山氏はこうした史実を無視しておいて、「17条の憲法や五カ条のご誓文の優れて真に民主的」などというのだから、もはや意味不明だ。ちなみに、聖徳太子の17条憲法はそもそも為政者を縛る「憲法」ではなく、役人の行動を規定した「法」である。しかも、その第3条には「承詔必謹。君則天之。臣則地之」とあるが、これは「命令は絶対である。君主が天で臣下が地だ」という意味。「民主主義」を政治上の概念としてとらえれば、それは立憲主義と密接的に結びつき、専制主義を回避して大衆の政治的意思を自由にすることであるから、どう考えても17条の憲法は「民主的」ではない。

 念のため確認しておくが、丸山氏は法律の専門家であるはずの弁護士で、再選経験のある国会議員である。そういう人がこんな陰謀論まがいを喧伝していること自体、いまの自民党のレベルが相当悲惨なことになっている証明だろう。

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