『美しい日本の憲法をつくる国民の会』公式サイトより
読売新聞社が先週末実施した全国世論調査によれば、安倍内閣の支持率は51%で、先月調査から5ポイント上昇。5カ月ぶりに不支持を上回った。
支持率上昇は、日中韓首脳会談が評価された結果だと分析されている。8月に戦後70年談話を発表した際もそうだったが、支持率が低迷すると、安倍首相はリベラルとも受け取れるような行動をして、目眩ましをしてきた。それがまんまと功を奏したということらしい。
だが、もちろん、この首相の危険な本質はまったく変わっていない。昨日11月10日の衆院予算委員会で、安倍首相は、民主党の岡田克也代表から「安保法制と同様に数がそろえば憲法改正をやるつもりではないか」と問われ、「数がそろえばというのは民主主義のルール」「(憲法改正の)数をそろえるために衆参両院で大勝する」「緊急事態条項からやる」と憲法改正を目指すことを改めて明言した。
言葉だけではない。安倍首相は実際に、例の狂信的右派団体と一体になって、本気で改憲の世論づくりを進めているのだ。
そのことがはっきりとわかったのが、同じ11月10日、東京・日本武道館で開かれた「今こそ憲法改正を!1万人大会」という大規模集会だった。この集会、主催は昨年10月に結成された「美しい日本の憲法をつくる国民の会」という団体だが、実態は、共同代表として櫻井よし子氏と並んで田久保忠衛・日本会議会長、三好達・日本会議名誉会長の名があるように、日本最大の極右組織・日本会議の“改憲キャンペーン大集会”だ。
この日、会場につめかけた参加者は、主催者発表で1万1328人。武道館の駐車場には何台もの大型バスが駐車されていたが、これは、地方の日本会議が「1泊2日の東京研修ツアー」などと称して、全国からシンパを動員していたからだ。来場者層は中年から老年が大半に見えたが、実際「北海道本部」や「愛知県本部」など各地方のHP上で「研修ツアー」が告知されていたことが確認できる。