高市政権が「文化の日」を「明治の日」にする動き本格化 背後に大日本帝国復活を目論む日本会議ら極右勢力の策謀
明治の日推進協議会HPより
きょうは「文化の日」だ。1946年のこの日に現在の日本国憲法が公布され、その2年後、憲法の精神に基づいて「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日として文化の日は生まれた。
しかし、そうした「文化の日」の考えを全否定するような動きが、日本会議など右派勢力を中心に、近年広がっている。本サイトで繰り返し批判してきたが、「文化の日」を「明治の日」にしよう、というものだ。
第2次安倍政権下で活発化していたこの動きだが、昨年の高市政権誕生後にも新たな動きを見せている。昨年11月21日には、自民党の内閣第一部会で、明治天皇の誕生日にあたる11月3日の「文化の日」に「明治の日」を併記する祝日法改正案を了承したのだ。法案提出のタイミングをうかがっている。
おそらく法案を通りやすくするために「併記」と言っているが、最終的には「明治の日」によって「文化の日」の意味を上書きして消してしまおうという魂胆があることは明らかだろう。これは単に「休日の名称」というだけの問題ではない。
超党派の「明治の日を実現するための議員連盟」の会長を務めている自民党の古屋圭司衆院議員は、高市首相の「兄貴分」「側近中の側近」だが、古屋議員は4月23日に国会内で開かれた総会において「明治は日本が近代化を進めた本当に重要な時期。この記念日をつくることは極めて重要だ」などと語っていた。
古屋議員をはじめとする極右政治家や極右論客は明治を輝かしいもののように賞賛するが、明治の日本=大日本帝国といえば、侵略戦争によって多くの国の人々の命と自由を奪い、さらには日本じたいも滅亡の危機に追い込んだ、もっとも忌避すべき体制である。それを、戦争放棄を謳う日本国憲法にちなんだ「文化の日」の日に併記しようというのである。
「明治の日」の狙いは、まさに、戦後民主主義の否定と軍国主義の復活にほかならない。
しかもこれは象徴的な意味だけにとどまらない。皇室典範改悪、選択的夫婦別姓議論の封印、戦争政策の推進、国家情報局創設やスパイ防止法など国民監視の強化、そして改憲といった、高市政権の打ち出している施策はまさに、日本国憲法と戦後民主主義を否定し、大日本帝国の軍国主義復活を狙うかのようなもの。「明治の日」は大日本帝国の価値観を賞賛、つまり反民主主義や軍国主義を肯定することで、こうした高市政権の人権抑圧や戦争政策を後押しすることにもなるのだ。
この危険な策謀をとどめるため、「明治の日」をめぐるこれまでの動きをあらためて振り返っておきたい。
きょう11月3日は明治天皇の誕生日であり、戦前の1926(昭和元)年に「明治節」が制定された。日本会議の別働隊であり、「明治の日」に改めようと祝日法改正を目指す団体「明治の日推進協議会」は〈明治時代を振り返ることを通じて国民としてなすべきことを考える契機にした方が良い〉と主張している。
たとえば、同団体が2018年10月29日にマスコミをシャットアウトし衆議院第二議員会館でおこなった集会には、稲田朋美・元防衛相、“生産性”発言の杉田水脈衆院議員、衛藤晟一首相補佐官、ちびまる子ちゃん映画や前川喜平・元文科事務次官授業への圧力で知られる赤池誠章参院議員といった安倍首相に近い極右議員や、櫻井よしこ氏ら安倍応援団の論客が参加。櫻井氏が「戦後確かに平和で豊かになったが、日本人としての価値観を忘れてきた。明治の日を制定することで、気高さと雄々しさがあった世界に誇る明治の原点を思い返すことができるようになる」(同団体HPより)などと語り、稲田元防衛相や杉田衆院議員らも祝日法改正実現に向け意気込みを語った(肩書はすべて当時)。
同団体は2016年11月1日にも国会内で、11月3日の「文化の日」を「明治の日」にしようと気勢を上げる集会を開いており、自民党から安倍首相に近い議員ら12人が駆けつけ、古屋圭司国対委員長が約63万8000筆の署名を受け取った。
古屋氏は2016年の集会で、「日本の近代国家立脚の原点は明治にある。かつての『明治節』がGHQ(連合国軍総司令部)の指導で大きく変わることを強いられた。明治の時代こそ大切だったとすべての日本人が振り返る日にしたい」と決意を述べた。要するに、日本国憲法も「文化の日」もGHQの押しつけだから、“本来の日本”を取り戻したいということのようだ。
2016年11月の集会に参加した自民党議員の発言を朝日新聞から拾ってみる。
「神武天皇の偉業に立ち戻り、日本のよき伝統を守りながら改革を進めるというのが明治維新の精神だった。その精神を取り戻すべく、心を一つに頑張りたい」(稲田朋美防衛相)
「神武創業の原点にしっかり立脚した『明治の日』を実現していくことが、日本人の精神の独立につながると確認している」(高鳥修一衆院議員)