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吉村知事がぶち上げた「ポビドンヨードうがい薬がコロナに効く」研究がトホホな結果でこっそり終了! 吉村は会見も開かず責任逃れ

大阪府HPより


 まだやるか、と言わざるを得ない。20日、大阪府の吉村洋文知事が来年4月の任期満了に伴う府知事選に出馬する意向を表明した件だ。

 出馬の意向を示した維新の会合の冒頭、吉村知事は次世代への投資や府市一体の成長戦略、そして大阪・関西万博の成功を公約に掲げたというが、目下、大阪ではまたも新型コロナの病床使用率が55%を超えるなど逼迫状況にあり、24日には大阪府のコロナ死亡者数の累計が7000人を超えた。無論、これは全国トップの数字だ。

 杜撰なコロナ対応でこれほど被害を拡大させながら、その反省など微塵もないまま「大阪万博の成功」を掲げて再選出馬する。その面の皮の厚さには閉口するほかないが、ここであらためて検証すべきは、この男がぶち上げてきた大言壮語の数々だ。

 じつは最近になって、吉村知事が2020年8月4日に会見でぶち上げた、例の「ポビドンヨードうがい薬がコロナに効く」という研究のその後について、読売新聞がこんな記事を掲載した。

「吉村知事「コロナに効く」から2年、うがい薬研究ひっそり終了…専門家「推奨できる結果なし」(読売新聞25日付)

 記事によると、研究をおこなってきた大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターのチームによる論文を、今年11月末に科学誌サイエンティフィック・リポーツが掲載。同センターが2020年11月〜2021年3月に、軽症・無症状の陽性者430人を「うがい薬を1日4回使うグループ」と「同じ頻度で水でうがいをするグループ」に分けて唾液PCR検査を実施。〈その結果、療養5日目に陰性となった人の割合は、うがい薬が34.5%、水うがいが21.4%だった〉という。

 ようするに、〈感染した人の喉からウイルスを減らす一定の効果は示された〉というだけで、吉村知事が会見でぶち上げた「うがい薬がコロナに効く」というような結果ではなかった。その上、〈他人への感染抑止効果を調べたわけでもない。感染や重症化を防ぐ効果は未検証〉というのだ。この研究結果について、感染症学が専門の聖マリアンナ医科大の国島広之教授は「使用を推奨できる結果とは言えない」とコメントしている。

 まあ、当初から「たんにポビドンヨードの殺菌作用で口腔内のウイルスが減るというだけでは」と指摘されており、そのとおりの展開になったわけだが、問題は、吉村知事がこの研究結果について、ほとんど説明することなくスルーしていることだ。

 吉村知事は、会見から約3カ月後の2020年11月に〈うがい薬の第二次研究は現在進行中です。来年の1月か2月頃に研究成果が明らかになる予定と聞いています〉とツイートしていたのだが、その期日には研究成果は公表されずじまい。そして、今年9月10日になって、〈ポビドンヨードによる唾液中ウイルスの低減研究の結果。公表資料〉とツイート。この投稿にはリンクが貼られていたのだが、それは研究結果の要約でしかない「臨床研究等提出・公開システム」へのリンクだった。

 しかも、今回の読売新聞の記事には、こう書かれていたのだ。

〈大阪府は、この結果について記者会見などで積極的に公表していない。同センターは「うがい薬に関する研究は終了しており、今後予定はない」としている。〉

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