大阪府公式チャンネルより
案の定と言うべきか。日本維新の会副代表の吉村洋文・大阪府知事が火付け役となった「文書通信交通滞在費」(文通費)の問題で、昨日、本サイトでお伝えしたように、吉村知事も衆院議員時代、月の在職日数が1日しかなかったにもかかわらず文通費を満額である100万円受け取っていたと認めた。しかし、本日放送された『ひるおび!』(TBS)や『バイキングMORE』(フジテレビ)などのワイドショーでは、吉村知事の100万円受け取り問題は一切批判せず、『バイキング』にいたっては野党叩きが繰り広げられる始末だった。
こうしたメディア報道に調子づいたのか、問題の張本人である吉村知事は、きょうの会見でこんなことを言い出した。
「ブーメランだと思いますけど、良かったと思ってます。これがきっかけで大きく動いて、与党も返金するってことまでなったわけですから。我々が大騒ぎしてなかったら、そんなんなってなかったですからね」
「ブーメラン刺さってますけど、社会が良くなればそれでいいと思います」
ドヤ顔で「どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい」「これが国会の常識。おかしいよ」と批判していた張本人が、まったく同じように100万円を受け取っていたというのに、「社会が良くなればそれでいい」って、よくもまあここまで開き直れるものか。
しかも、吉村知事の「当時の記憶がない」「意図的に10月1日に辞めたわけではない」という言い訳が大嘘だったことが明らかになった。
吉村知事は昨日の会見やTwitterでの説明において、「当時の記憶というのは正直あまりない」「当時、市長選に挑戦するということに頭がいっぱいだったので、あまり日割りがどうとか記憶はない」と身に覚えがないことを主張。さらに、本日の会見でも、「2015年10月1日に辞職したのは10月分の文通費をもらうためだったのではないか」という疑義の声に対し、「文通費を細かく考えて対応するのであれば、文通費を受けれる立場、権利のある国会議員を続けていた」「そういうコスいことはしない」と反論。記者から「当時は文通費について問題意識はなかったということか」と問われると、吉村知事はこう答えた。
「うん、あの、いま2015年の意識というのを振り返ったことを言ってもあんまり意味がない」
「2015年の頃というのは、文通費とかいろんな議員の厚遇の問題も指摘されはじめてますけど、それ全部、放棄を自分でして、通るか通らないわからない選挙に挑戦すると判断したのが、僕の頭の中の99%だった」
ようするに、衆院議員を辞めて大阪市長選に挑戦することで頭はいっぱいで文通費のことを考える余裕もなく、文通費を満額ゲットしようなどというそろばんを弾くようなコスいことはするはずもない、といったわけだ。
だが、吉村知事は、2015年、たった1日で文通費をもらったと思われる前後に、橋下徹と松井一郎を前にして、文通費に言及。「もうちょっと内緒にしといてもらったら(笑)。あれ、完全に第2の財布ですからね」などと語っていたのだ。