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吉村知事が“批判逃れ”に必死! 明石市長への反論では病床問題をスルーし私権制限にスリカエ、援軍の橋下徹と宮根誠司は“同情作戦”

 

 しかも、橋下氏は吉村知事と一体化して自身の責任逃れを正当化しようとしているだけではない。

 たとえば、プレジデントオンラインで配信された自身のメールマガジン記事では、吉村知事が前回の宣言解除を前倒しして要請したことや医療逼迫への批判が強まっていることに対し、〈思いっ切り言い返してやるのも一つの手だ。僕はこれを多用していた(笑)〉などとアドバイス。いまの大阪の医療体制は「(笑)」などと書けるような状況ではなく、橋下氏が事態の深刻さをまるで理解していないことがよくわかるが、さらに、吉村知事にこう同情を寄せるのだ。

〈吉村さんのやつれ気味の表情をテレビで見ていると、そのしんどさが痛いほど伝わってくる。連日連夜、府庁内では協議、会議の繰り返しなんだろう。〉

「しんどさが痛いほど伝わってくる」って、いま本当にしんどい思いをしているのは、入院すべき病状でも治療を受けられない患者やその家族、人手も人工呼吸器も足りないなかで奮闘する医療従事者や救急隊員たちのほうだ。そして、こんな惨状を生んだのは誰なのか、その責任が問われているというのに、橋下氏は“吉村知事はやつれながら頑張っている”と強調し、吉村知事に同情が集まるように誘導しようというのである。

 下劣としか言いようがない、橋下氏が打ち出した「同情」作戦。しかも、これに丸乗りしているのが、メディアだ。

 実際、25日に吉村知事が出演した前述の『Mr.サンデー』では、司会の宮根誠司が “厳しい質問をする”などと吉村知事に宣言していたが、これも「矢面に立たされるやつれ気味の吉村知事」を演出するための茶番だったのはミエミエ。現に番組では、厳しい質問どころか、宮根が「知事はテレビ出るたびに最近叩かれてるんですけど、大阪はお金がないから正直、テレビ出て知事がしゃべるしかないんですよね」と言い出し、テレビに出まくる吉村知事をフォローする始末だった。
 
 責任逃れに必死の吉村知事に、吉村知事と一体化して今度は「同情を誘う」作戦に出た橋下氏とメディア。この歪な共犯関係がまかり通っていることが、反省もないまま、救えたはずの命が救えないという大阪のひどい状況をつくり出しているのである。

最終更新:2021.04.28 09:56

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