(国内感染者数を質問され)「質問通告をされていない」
「だって、これに書いて、これに、これに、これに書いてないじゃないですか」
4月29日 参院予算委員会
呆れ果てるとはまさにこのこと。この日、国民民主党の森裕子参院議員(現・立憲民主党)から国内感染者数を質問されると、安倍前首相は答えられず、なんと1分以上も狼狽。しかも答弁に立つやいなや「質問通告をされていない」と言い訳しはじめ、この驚きの発言に野党がざわつくと、「それはそうですよ。だって、これに書いて、これに、これに、これに書いてないじゃないですか」などと開き直ったのだ。
言っておくが、この日はすでに政府が緊急事態宣言の延長で調整に入っており、感染者数の推移はもっとも重要なデータとして総理大臣の頭に入っていて当たり前のタイミングだった。百歩譲って、現況の正確な数字ではなくても、せめて大まかな数字でも述べるべき場面で、それができないなら素直に「いまは正確な数字を把握していない」と言えばいいだけ。だが、それもせずに「質問通告してない!」と逆ギレして喚き立てたのである。
この醜態はまたたく間にSNS上で拡散され、〈自国民の感染者数を知らないってヤバくない?〉〈バカか?わたしたちのリーダーはバカか?〉などの意見が殺到。作家の平野啓一郎は〈彼が首相で、この危機を乗り越えられるとはとても思えない〉、松尾貴史は〈事前通告がないと、立場上把握していなければならない感染者数について関心がないことがバレてしまうわけです〉とツイートした。
しかし、その後、安倍前首相はコロナ危機を乗り越えようとするどころか、身勝手にもドロップアウトし、国民を放り出してしまった。その無責任さは、すでにこの答弁からはっきりしていたのである。