「PCR検査体制を1日2万件に増やす」
4月6日 新型コロナ対策本部会合
「前夜祭」問題だけではなく、今年の安倍前首相の発言を振り返る上で忘れてはならないのが、新型コロナでの後手後手対応だ。症状があっても検査が受けられないという声が大きくなっているなかで、4月6日の対策本部で安倍前首相は「1日2万件」とぶち上げたのだが、実際に検査数が2万件を超えたのは、この宣言から1カ月以上後のことだった。
しかし、同じ日に安倍前首相は「病床の確保については、現在2万8000の病床を5万床まで増加させる」と述べたのだが、当時、東京新聞が全国の確保できている病床を集計したところ、その数はなんと計1万607床。安倍前首相が言った「2万8000床」という数字は、厚労省が新型コロナ患者に対応できるベッド数ではなく、たんに空きベッド数を挙げさせ、それを足したものにすぎなかったことがわかったのだ。
安倍前首相の「やってる感」を演出するために、最大限の数をはじき出すべく恣意的な集計をおこなう──。いかに安倍前首相の対応が「ポーズ」だけだったのかは、次の発言からも明らかだ。