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「大阪・兵庫間往来自粛」は吉村府知事と松井市長の“完全なる誤読”だった! 国からそんな要請はなし 『翔んで埼玉』もびっくり

吉村洋文大阪府知事Twitterより


 にわかには信じられないことが起きている。

 新型コロナ感染拡大を受けて、きのう19日夕方、松井一郎・大阪市長と吉村洋文・大阪府知事から唐突に発表された、大阪・兵庫間の往来自粛。

 周知のとおり、大阪府は123人、兵庫県は100人(いずれも20日時点)と、多数の感染者が確認され、また両府・県とも複数のクラスターが確認されるなど、感染が広がっている。

 とはいえ、大阪と兵庫は、単に隣接しているだけでなく、公共交通機関や高速道路がいくつも互いに乗り入れており、それぞれがそれぞれに通勤・通学していたり、遊びや買い物に出かけたりと、「阪神」という呼称もあるように地域によっては生活圏がほぼ一体化していると言ってもいい。

 それを往来自粛というのは、社会生活に対する影響が甚大だ。というか、そもそも感染が広がっている県の間だけで往来を自粛して、意味があるのだろうか。

 実際この呼びかけをめぐっては、19日夜から、埼玉から東京に入るために関所を通過しなければならないというパラレル世界を描き映画化もされたギャグマンガ『翔んで埼玉』になぞらえ、「#翔んで兵庫」というハッシュタグがホットワードになり、両府県にまつわるあるあるネタが大量に投稿されるなど、ツッコミの声が多数上がっていた。

 ところが、『翔んで埼玉』もびっくりの、ありえない事実が発覚したのだ。

 松井市長と吉村府知事は、この「大阪・兵庫間の往来自粛」を国からの要請・提案と説明していたが、国はそんな要請をしていなかったのである。

 吉村府知事は本日午後15時44分、〈厚労省から受けたこの提案を重視し、方針を決定した。単なる有識者やコメンテーターが作成したものじゃない。国がこの書類を持って大阪府と兵庫県にわざわざ説明に来て提案された。重要な事実と判断して外に出した。多くのコメンテーターはこんな数字なる訳ないと思うだろうが、僕は無視できない〉とツイートし、ドヤ顔である文書の画像を投稿した。

 その文書は、〈大阪府・兵庫県における緊急対策の提案(案)〉と題されたもので、文書の作成年月日は〈3月16日〉。〈厚生労働省コロナ対策本部クラスター班の専門家(北海道大学西浦教授等)が作成した資料〉だという。

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