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安倍政権が京アニにだけ政府支援の一方で、やまゆり園や貧困者施設の火災は無視! 生産性で価値決める政権の体質

しかし、この背景にはもうひとつ、安倍政権のグロテスクな思想がある。昨年、安倍首相が寵愛する杉田水脈議員が性的マイノリティーを排除する「生産性」発言を口にして非難を浴びたが、これは決して、杉田議員だけの問題ではない。「生産性で価値を決める」という思想は安倍首相と政権全体を貫いているものだ。

 実際、安倍政権は大企業やベンチャービジネスに湯水のように補助金をつぎ込む一方で、障がい者や老人に対しては、冷酷としか言いようのない対応を取りつづけてきた。安倍政権が生産性があると判断したもの(プラス安倍首相のお友だち)を優先して保護し、支援する一方で、政権が生産性がないと判断したものには、保護や支援策は打たれない。

つまり、安倍政権が早々に京アニ支援策に乗り出したのも、この思想がベースにあると考えるべきだろう。アニメはビジネスとして金を生み、「クールジャパン」の代名詞として海外展開まで担う「生産性が高い」分野だから、支援を打ち出した。そして、障がい者が多数殺傷されたやまゆり園事件で、不安に怯える障がい者やその家族、支援者が数多くいるなかで、彼らを気遣ったり障がい者差別を批判するようなツイートも声明も出さなかったり、犠牲者が相次ぐ生活困窮者の住宅問題を放置しているのは、安倍政権がその犠牲者たちのことを「生産性がない」と判断しているからだろう。

 折しも、山本太郎率いるれいわ新選組が難病と重度の障がいを持つ議員を国会に送り込み、「生産性で価値を判断する」安倍政権の政策を変えようと奮闘中だが、この問題は彼らにだけ任せるべきものではない。

被害者の「生産性」によって、政府の対応が変わる──そんなことは絶対にあってはならないのだ。京都アニメーションへの支援を支持した上で、障がい者や生活困窮者などの弱者に対してこそ、国がきちんとサポートする体制づくりを強く求めていく必要があるだろう。

最終更新:2019.08.01 11:04

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