報ステ出身の経済部長を追放!(テレビ朝日HP)
本サイトでも継続的にレポートしてきたように、安倍首相と蜜月関係にある早河洋会長のもと、“政権御用化”が進行しているテレビ朝日だが、ここにきて、またぞろ、政権の不正を追及してきた報道局幹部をパージする“政権忖度人事”が行われた。
「経済部部長・Mさんに、7月1日付人事異動の内示が下ったんですが、これが前例のない左遷人事だったんです。M部長の異動先は総合ビジネス局・イベント事業戦略担当部長。今回、わざわざ新たに作った部署で、部長と名ばかり。これまでの部長は政治部長やセンター長になっているのに、これはもう嫌がらせとしか思えません」
M部長は古舘伊知郎キャスター時代、“『報道ステーション』の硬派路線を支える女性チーフプロデューサー”として有名だった女性。経済部長に異動になってからもその姿勢を崩さず、森友問題などでは、経済部として財務省をきちんと追及する取材体制をとっていたという。
「財務省や麻生太郎大臣の会見は、経済部が中心なので、不正や政策の問題点を追及する質問なんてほとんどやらないんですが、Mさんが部長になった頃から、テレ朝は複数の記者を投入して、踏み込んだ質問をするようになった。ごくたまにですが、重要な局面では、Mさん自身も会見に出て、質問していました」(全国紙経済部記者)
いま、大きな問題になっている金融庁の“2000万円報告書”問題でも、麻生財務相の会見でこの問題をはじめて追及したのは、テレビ朝日経済部だった。その後も、会見の度に、報告書問題を質問。また、麻生大臣が11日、「報告書を受け取らない」としたときの会見には、M部長自ら出席。報告書の内容を「政府のスタンスとちがう」と言い訳した麻生財務相に、「報告書のベースは金融庁が作っている」「夏の税制改正要望に証券税制の優遇を入れるという意図があったのではないか」と鋭い追及をしていた。
しかし、こうしたテレビ朝日の追及に、麻生大臣が苛立ちを示すケースもしばしばで、2000万円報告書問題では「テレビ朝日のレベルの話だからな」「またテレビ朝日か」「テレビ朝日のおかげで不安が広がった」「おたくのものの見方は俺たちとぜんぜん違う」などと、名指しで恫喝することも少なくなかったという。
そんなさなかに、M部長が聞いたこともない部署に飛ばされる人事の内示が出たため、局内外で「こんな露骨な人事、見たことない」「安倍政権からなんらかの圧力があったのではないか」という声が上がっているのだ。
実際、M部長の異動の裏に、テレ朝上層部の安倍政権忖度があったのは間違いない。
そもそもM部長は、『報道ステーション』のチーフプロデューサー時代から、官邸とテレ朝上層部に目の敵にされてきた。実は、『報ステ』のチーフPを外されたのも、官邸の圧力だったといわれている。