実際、自由同和会に問い合わせをおこなった人たちは、〈ことの成り行きをお話ししたら、呆れ絶句されてた〉〈対応してくださった方は“今回の発言は問題があることを前提にして長谷川氏と話した”ということと“エタ・ヒニン発言の事実誤認を指摘し部落の歴史を学習するよう要請した”と仰ってました〉と投稿している。
本サイトが自由同和会中央本部に取材をおこなったところ、事務総長の平河秀樹氏は「長谷川氏が発言を取り消して謝罪してこれから同和問題について勉強しますという誠意を見せたので、うちはそれで結構です」「ノーコメントでお願いします」とのことだったが、別の関係者からは、自由同和会は解放同盟が動く前から長谷川氏と接触し、謝罪するようアドバイスしていたとの情報が得られた。党からコメントを出すという長谷川氏に対して、本人が謝罪コメントを出すべきだ、とも説得していたという。
いずれにしても、長谷川氏が差別発言ののち、開き直った上に、事実のねじ曲げまでおこなって自己正当化をはかっていたのはあきらかで、その往生際の悪さ、無責任ぶりにはほとほと呆れるしかない。
だが、もっと驚いたのは、前述したように、維新も対応だ。維新は本日、常任役員会でこの部落差別発言を受けて長谷川氏の処分を検討。そこで出た結論は、なんと「当面の公認停止」。産経新聞ニュースによると〈党内で発言を検証し、参院選の公示までに立候補させるかどうかを判断する〉という。そう、即刻、公認を取り消すのでなく、とりあえず、一旦、保留するというだけなのである。
言っておくが、長谷川氏の差別発言・暴言騒動はこれだけではない。「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」という暴論をはじめ、待機児童問題では“子どもを預けて働きたい母親のワガママが原因”と決め付け、〈お前ら、子供を産んだんだろうが!〉〈一生言ってろ!バカ女!!! 悪いのはお前らの頭の中と仕事の能力だ!!!!〉などとブログに投稿してきた。
だというのに、維新はこうした暴言・差別発言を問題視することなく、2017年の衆院選で長谷川氏を擁立。そして、この期に及んで、今年の参院選での公認をいますぐ取り消すのではなく、「公示までに判断する」などと言っているのだ。これは安倍政権とまったく同じ「ほとぼりが冷めるのを待つ」「いずれ国民は忘れる」という、無反省・無責任な姑息な手段ではないか。