今年10月にも麻生氏は「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。良いことを言うなと思った」と暴言を吐いた。だが、政治資金収支報告書を見ると、麻生財務相は「愛人」と言われる女性の会員制サロンのみならず、そのほか高級料亭やフレンチ、天ぷら、寿司などの店での「飲み食い」にも多額の支出をおこなっている。どうしてこんな人物に国民はどうこう言われなくてはいけないのかと怒るべきだが、しかし、問題はこれだけではない。
思い出してほしい。麻生財務相が年間約800万円も「愛人」と言われる女性の店で“政治活動”として飲み倒していた昨年は、2月に約8億円も値引きされて国有地が売却されていた森友問題が浮上。そしてその裏で財務省は公文書を改ざんするという国家的犯罪行為をおこなっていた年だということだ。
実際、麻生財務相は国会でも「適正な手続き、価格で処分され問題はない」と強弁。その一方、野党の追及に対して2月23日の衆院予算委員会では「何を調子のいいこと言ってんだか」などと耳を疑うような台詞を吐いてから答弁をおこなった。
さらに7月には、タダ同然の国有地取引を「適切だった」と正当化し、学園側との面会記録等を「すでに破棄した」「残っていない」と言い張って疑惑の火消しをはかった佐川宣寿理財局長を財務省ナンバー2の国税庁長官に栄転。麻生財務相は「(佐川氏は国会で)丁寧な説明に努めてきた。適材だ」と述べ、国民から大顰蹙を買った。
その上、麻生財務相は「会計検査院で必要とするような文書はきちんと残している」と主張してきたが、昨年11月に公表された会計検査院の報告では検証に必要な書類がないと指摘。しかし、麻生財務相は「今後の国有財産管理処分に係る手続きの見直しを行うことなどを通じて、財務相の責任を果たす」などと答弁するだけだった。